喫煙歴 コロナ重症化のリスク高 男性1.51倍 女性1.94倍にも

新型コロナウイルスに感染して重症化するリスクは、以前たばこを吸っていた人では男性でも女性でも高いことが国立国際医療研究センターなどの分析でわかりました。喫煙が原因で引き起こされた病気のため、重症化リスクが高くなっている可能性があるとみています。

国立国際医療研究センターなどは去年2月までに新型コロナに感染し、全国各地の病院に入院した20代から80代の患者1万7666人について、喫煙歴と重症化リスクの関係を分析しました。

その結果、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOが必要な重症になるリスクは、以前、たばこを吸っていた人は喫煙歴がない人に比べて、男性で1.51倍、女性で1.94倍と高くなっていたことがわかったとしています。

研究グループは、喫煙者は心臓や呼吸器の病気や、がんなどを患いやすく、以前、たばこを吸っていた人は持病があることが多く、重症化リスクが高まっているとみられるとしています。

一方で、現在たばこを吸っている人では、重症化リスクは統計的に有意な差はみられませんでしたが、将来的にはリスクが高まるおそれがあるとしています。

分析した国立国際医療研究センターの松下由実医師は「喫煙歴があって持病のある人は感染対策を徹底することが重要だ。また、禁煙は喫煙に関連する病気を予防し、リスクを下げるために重要だと考えられる」と話しています。