都内の保健所 感染急拡大で業務ひっ迫 健康観察連絡継続は困難

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東京都内の保健所では去年の第5波を超える感染者が発生して業務がひっ迫し、患者に対して毎日行うことになっている健康観察の連絡を続けることが難しいと訴える声があがっています。

東京・品川区では、先週から感染者が急激に増え始め新たに確認された人は17日は225人、18日は305人と、去年8月の第5波の際に最も多かった218人を超え、過去最多を2日連続で更新しました。

このため品川区保健所では19日から区役所の他の部署の40人が新たに応援に入り通常の2倍の体制で対応していますが、19日朝の時点で一度も連絡ができていない患者が550人にのぼるなど健康観察が追いつかない事態に陥っています。

このため地元の医師たちに協力を求め一部の患者の健康観察を担ってもらっているほか、20代と30代の患者には電話をせずスマートフォンで健康状態を入力してもらう方法に切り替えたということです。

さらに濃厚接触者は調査に手が回らないため、原則として保健所からは連絡しない決断をしました。

品川区では今後も患者の数が増え続ければ、患者全員への毎日の健康観察を続けることは難しいと訴えています。

品川区保健所「全員に毎日健康観察は見直してほしい」

品川区保健所の鷹箸右子保健予防課長は「倍々どころではない勢いで感染が急拡大し、危機的な状態に陥っています。今のやり方を続けると体制が破綻してしまい、重症化しそうな人を確実に医療につなげることができなくなるのではないか心配です。全員に毎日健康観察をする今の方法は見直してほしい」と話していました。

その上で「オミクロン株は比較的軽症といわれるが、高熱が下がらなかったり若くても入院する人もいる。かぜのような症状でも少しでもおかしいと思ったり濃厚接触者として心当たりがあったりしたら早めに検査を受けるとともに基本的な感染予防を今一度徹底してほしい」と話していました。