大阪市内の発熱外来に患者殺到 ”受診できない感染者も”

新型コロナの感染が急拡大する中、大阪市内の発熱外来には、発熱などの症状を訴える人が殺到し、受診を断らざるをえないケースも相次いでいます。発熱外来の医師は「感染が疑わしくても受診できずに確認できない人がたくさんいるのではないか」と指摘しています。

大阪 中央区で新型コロナの発熱外来を開設している小畠クリニックでは、先週から受診を依頼する電話が相次いでいます。

一日当たりの予約枠は最大15人で、すぐに埋まってしまい、連日、20人から30人は断らざるをえない状況が続いているといいます。

受診を希望するのは、発熱やのどの痛みなど、かぜのような症状がある人のほか、自治体や民間のPCR検査で陽性が出た人や、身近に感染者が出た人だといいます。

こうした人たちは、医療機関を受診して初めて、保健所に感染者として登録される仕組みのため、クリニックの医師は、受診できずに保健所に登録されていない感染者が多いのではないかと危惧していました。

また、訪れる患者は10代や20代の若者が中心で、発熱している場合、ほぼ確実に感染が確認されるほか、のどが痛いといった軽い症状でも感染しているケースが多いということです。

クリニックによりますと、若くても高熱や息苦しさを訴えるなど、早期に治療が必要と判断する患者もいるといいます。

しかし、感染初期の治療に有効な飲み薬は、高齢者や基礎疾患がある人などに使用が限られるため、条件を緩和してほしいと話していました。

医師「一人ひとりが感染予防して注意を」

小畠クリニックの小畠昭重院長は、「うちだけでも、これだけ予約を断っているので、感染が疑わしくても医療機関を受診できない、いわば『隠れコロナ陽性者』がたくさんいて、発表を大きく上回る感染者がいるのではないかと感じる。一人ひとりが感染予防して注意してほしい」と話していました。