世界の富豪の資産2倍以上に 格差是正の取り組み求める NGO

新型コロナウイルスの感染拡大後、アメリカの大手IT企業の経営者など世界の富豪10人の資産が2倍以上に増えたとする報告書を国際的なNGOが公表し、コロナ禍で格差が課題となる中、富裕層への増税など格差の是正に向けた取り組みを各国政府に求めています。

報告書は、貧困の撲滅に取り組んでいる国際的なNGO、オックスファムが「ダボス会議」に先立って今月17日から開かれているオンラインの会合に合わせて、公表しました。

報告書では、コロナの感染が拡大してからの2年間で、世界の富豪10人の資産が日本円にしておよそ80兆円からおよそ170兆円へと2倍以上に増えたと指摘しました。

10人は、アメリカの電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOや、アマゾンの創業者のジェフ・ベゾス氏、メタのマーク・ザッカーバーグCEOなどで、アメリカのIT大手の経営者が多数を占めています。

一方で、報告書は世界人口の99%に当たる人の収入が減少したとして、こうした格差を経済的な暴力と呼んだうえで、必要な医療を受けられなかったり飢餓に直面したりして毎日少なくとも2万1000人が命を落としているとしています。また、コロナの感染拡大で1億6000万人以上が貧困に陥り、特にマイノリティーや女性が影響を受けているとしています。

NGOは「もし10人の富豪があす99.999%の資産を失っても、地球上の99%の人よりなお裕福だ」として、富裕層への増税など格差の是正に向けた取り組みを各国政府に求めています。