妊婦の新型コロナ感染 症状重くなる傾向 感染対策を

新型コロナウイルスに感染した妊婦は、酸素投与が必要な中等症以上になった割合がおよそ10%と、同世代の女性より症状が重くなる傾向があることが国立成育医療研究センターなどが去年4月までのデータを分析した結果、分かりました。感染力の強いオミクロン株が拡大する今、妊婦本人や周りの人を含めて、ワクチン接種や感染対策を行ってほしいとしています。

国立成育医療研究センターなどの研究グループは、去年4月までに新型コロナに感染して全国各地の医療機関に入院した妊婦の症状などを分析しました。

それによりますと、妊婦187人のうち、人工呼吸器などが必要な重症の患者は1人、酸素投与が必要な中等症の患者は17人で、9.6%が中等症以上でした。

妊娠していない同世代の女性で中等症以上は4.9%で、妊婦で症状が重くなる傾向が明らかになったとしています。

中等症以上になった妊婦について詳しく調べると、妊娠初期が6.9%、中期が34.5%、後期が58.6%と、中期以降のほうが症状が重くなっていたということです。

妊婦では家庭での感染が39.4%と、妊婦以外の19.8%より高く、調査した国立成育医療研究センター感染症科の庄司健介医長は「非常に感染力の強いオミクロン株の影響で妊婦さんが感染するリスクもこれまで以上に高まっている。パートナーも含めてワクチン接種や感染対策を行ってほしい」と話しています。

官房長官「妊婦を含め一般の方は7か月の間隔で接種を」

松野官房長官は記者会見で、「妊婦の3回目接種を前倒しする考えはあるか」と問われ、「妊婦を含め、一般の方は3月から7か月の接種間隔で接種できるよう、必要なワクチン量を供給したうえで、余力がある自治体は2回目の接種から6か月が経過した方にできるだけ多く接種を進めるという方針を公表したところだ」と述べました。

また、5歳から11歳までの子どもへの接種について、「ファイザーの小児用ワクチンが、あすの厚生労働省の審議会で議論される予定だ。薬事承認や審議会での了承が得られれば、来月から輸入される予定であり、3月以降に開始できる見込みだ」と述べました。