オミクロン株 症状は 無症状者からクラスター
奈良県に住む男性(30歳)は今月9日、横浜市で友人の披露宴に出席しました。
その4日後、同じテーブルに座っていた友人からLINEでメッセージが届きました。
「新型コロナだった」
それから相次いで参加した人たちの感染が判明しました。
ワクチンを2回接種していた男性。
「まさか自分がかかっているとは…」
(おはよう日本 三木謙将 ネットワーク報道部 馬渕安代 國仲真一郎 SNSリサーチ三輪衣見子)
その4日後、同じテーブルに座っていた友人からLINEでメッセージが届きました。
「新型コロナだった」
それから相次いで参加した人たちの感染が判明しました。
ワクチンを2回接種していた男性。
「まさか自分がかかっているとは…」
(おはよう日本 三木謙将 ネットワーク報道部 馬渕安代 國仲真一郎 SNSリサーチ三輪衣見子)
披露宴から数日後 相次いで症状が…
友人から連絡を受けた男性は、その日のうちに近所の病院で新型コロナの検査を受けました。体調に異変はありませんでしたが、念のためにという思いでした。
結果は10分ほどですぐに分かりました。
新型コロナ陽性。保健所からはオミクロン株の可能性が高いと言われたそうです。
結果は10分ほどですぐに分かりました。
新型コロナ陽性。保健所からはオミクロン株の可能性が高いと言われたそうです。
(男性)
「非常に驚きました。症状は無かったし、てっきり陰性だと思っていました。みんな言いますけど、まさか自分がかかるとは思っていなかった」
「非常に驚きました。症状は無かったし、てっきり陰性だと思っていました。みんな言いますけど、まさか自分がかかるとは思っていなかった」
LINEのグループには、披露宴の出席者の多くが入っていました。
新型コロナに感染していたという友人の連絡をきっかけに、ほかの友人たちも各自で検査を受けた結果、少なくとも7人が感染。
クラスターとなっていたのです。
ある友人は「11日からのどの痛みがある」と書いていました。
早い人は披露宴から2日後、多くの人は3日から5日で症状が出たといいます。
従来の新型コロナで言われていた潜伏期間1~2週間よりもはるかに短い期間でした。
新型コロナに感染していたという友人の連絡をきっかけに、ほかの友人たちも各自で検査を受けた結果、少なくとも7人が感染。
クラスターとなっていたのです。
ある友人は「11日からのどの痛みがある」と書いていました。
早い人は披露宴から2日後、多くの人は3日から5日で症状が出たといいます。
従来の新型コロナで言われていた潜伏期間1~2週間よりもはるかに短い期間でした。
5人がブレイクスルー感染
感染はどのように広がったのでしょうか。
男性の証言にもとづき、座っていた位置や症状などを整理してみました。
テーブルは8人がけの円卓。
直径は1.5メートルくらいでした。
感染対策で座席部分にまで伸びるアクリル板が置かれ、隣の人の声も聞こえづらいくらいしっかり仕切られていたといいます。
クラスターになった7人のうち6人は、感染していた友人と同じテーブルでした。
両隣の人は感染しなかった一方、アクリル板や花が置かれて直接話をしていない向かい側の人たちが感染していました。
さらに男性が驚いたのは、ほとんどの人がワクチンを2回接種していたにもかかわらず、感染したことでした。
男性の証言にもとづき、座っていた位置や症状などを整理してみました。
テーブルは8人がけの円卓。
直径は1.5メートルくらいでした。
感染対策で座席部分にまで伸びるアクリル板が置かれ、隣の人の声も聞こえづらいくらいしっかり仕切られていたといいます。
クラスターになった7人のうち6人は、感染していた友人と同じテーブルでした。
両隣の人は感染しなかった一方、アクリル板や花が置かれて直接話をしていない向かい側の人たちが感染していました。
さらに男性が驚いたのは、ほとんどの人がワクチンを2回接種していたにもかかわらず、感染したことでした。
「感染した人の症状とワクチン接種の有無」
(座席図の番号順に表示)
1.最初に感染が分かった友人 ※ワクチン2回接種済み
38度の熱・のどの痛み
2.※ワクチン2回接種済み
37度の熱・のどの痛み・せき・鼻水
3.※ワクチン2回接種済み
38度の熱・のどの痛み・せき
4.本人 ※ワクチン2回接種済み
無症状
5.※ワクチン2回接種済み
37度の熱・のどの痛み・せき
6.※ワクチン接種の有無不明
のどの痛み・せき
※このほか別のテーブルに座っていた1人も感染
症状・ワクチン接種の有無不明
(座席図の番号順に表示)
1.最初に感染が分かった友人 ※ワクチン2回接種済み
38度の熱・のどの痛み
2.※ワクチン2回接種済み
37度の熱・のどの痛み・せき・鼻水
3.※ワクチン2回接種済み
38度の熱・のどの痛み・せき
4.本人 ※ワクチン2回接種済み
無症状
5.※ワクチン2回接種済み
37度の熱・のどの痛み・せき
6.※ワクチン接種の有無不明
のどの痛み・せき
※このほか別のテーブルに座っていた1人も感染
症状・ワクチン接種の有無不明
全員が29歳~30歳と若いこともあってか、今のところ重症化した人はいないそうです。
無症状で拡大する怖さ
男性は大学時代のサークル仲間を祝福したいと、奈良県から披露宴会場の横浜まで駆けつけました。
会場では入り口で検温と消毒、さらに換気も徹底され、黙食も呼びかけていました。
オミクロン株の感染拡大が徐々に伝えられてはいましたが、ワクチンも接種していたため、感染の不安はほとんどなかったといいます。
しかし、無症状だった友人から感染。男性自身は今、自宅療養中ですが症状はありません。感染が分かるまでの2日間はいつもどおり会社に出勤していました。
感染したり濃厚接触者になって自宅待機となったりした同僚はいなかったものの、会社は社員全員を検査をするなど対応に追われたそうです。
会場では入り口で検温と消毒、さらに換気も徹底され、黙食も呼びかけていました。
オミクロン株の感染拡大が徐々に伝えられてはいましたが、ワクチンも接種していたため、感染の不安はほとんどなかったといいます。
しかし、無症状だった友人から感染。男性自身は今、自宅療養中ですが症状はありません。感染が分かるまでの2日間はいつもどおり会社に出勤していました。
感染したり濃厚接触者になって自宅待機となったりした同僚はいなかったものの、会社は社員全員を検査をするなど対応に追われたそうです。
(男性)
「ワクチンも打っていたし、気をつけていればかからないと思っていました。感染力が強いと感じたので、日常の生活に戻っても手洗いや密を避けるといった基本的なところからこれまで以上に意識したいと思います」
「ワクチンも打っていたし、気をつけていればかからないと思っていました。感染力が強いと感じたので、日常の生活に戻っても手洗いや密を避けるといった基本的なところからこれまで以上に意識したいと思います」
想像以上につらい人も
オミクロン株は比較的軽症だと言われていますが、症状に苦しむ人もいます。
埼玉県に住む50代の女性は夫と共に体調不良を感じ、今月11日、かかりつけの病院を受診しました。
夫婦はワクチンを2回接種していましたが検査の結果、2人とも新型コロナの陽性で、保健所からオミクロン株だと告げられたといいます。
持病などがあったため夫婦で入院することになりました。
女性は最初は倦怠感や微熱、せきなどの症状が出て、なんとなく調子の悪さを感じる程度でしたが、2日ほどすると熱が38度まで上がり、頭痛やのどの痛みが出て、せきもひどくなりました。
その後も熱はあがったり下がったりを繰り返し、せきが出始めると、1時間ほど止まらない時もあったそうです。
軽症という診断でしたが、想像以上につらく感じたといいます。
一方、夫は初めは女性と同様に軽い症状でしたが、その後肺のレントゲンで異変が見つかり、中等症1と診断されました。今は治療を受けて症状は和らいでいるということです。
埼玉県に住む50代の女性は夫と共に体調不良を感じ、今月11日、かかりつけの病院を受診しました。
夫婦はワクチンを2回接種していましたが検査の結果、2人とも新型コロナの陽性で、保健所からオミクロン株だと告げられたといいます。
持病などがあったため夫婦で入院することになりました。
女性は最初は倦怠感や微熱、せきなどの症状が出て、なんとなく調子の悪さを感じる程度でしたが、2日ほどすると熱が38度まで上がり、頭痛やのどの痛みが出て、せきもひどくなりました。
その後も熱はあがったり下がったりを繰り返し、せきが出始めると、1時間ほど止まらない時もあったそうです。
軽症という診断でしたが、想像以上につらく感じたといいます。
一方、夫は初めは女性と同様に軽い症状でしたが、その後肺のレントゲンで異変が見つかり、中等症1と診断されました。今は治療を受けて症状は和らいでいるということです。
(女性)
「オミクロン株は、見極めがすごく難しいと思いました。ちょっとかぜかなとか、だるい、熱っぽいと思ったとき、無理して外出せず休んで早めに病院に行くことが大事だと思いました。また症状の受け止めは人それぞれで38度熱があっても大丈夫と思う人もいれば、私のように苦しいと感じる人もいます。軽視しないほうがいいと思いました」
「オミクロン株は、見極めがすごく難しいと思いました。ちょっとかぜかなとか、だるい、熱っぽいと思ったとき、無理して外出せず休んで早めに病院に行くことが大事だと思いました。また症状の受け止めは人それぞれで38度熱があっても大丈夫と思う人もいれば、私のように苦しいと感じる人もいます。軽視しないほうがいいと思いました」
ブレイクスルー感染はすでに多数確認
(厚生労働省専門家会合のメンバー 国際医療福祉大学 和田耕治教授)
「オミクロン株ではワクチンを接種していても免疫を回避して感染するブレイクスルー感染がすでに国内でも多数確認されています。さらにデルタ株よりも感染の伝ぱもしやすいことからこれまで以上に感染が広がりやすいと言えます。
高齢者などに広まると、一定の確率で重症化することが国内でも見えてきているので、特に感染が拡大している時は会食は少人数でなるべく短時間にするなど、できるだけ感染を広げないように行動する必要があります」
「オミクロン株ではワクチンを接種していても免疫を回避して感染するブレイクスルー感染がすでに国内でも多数確認されています。さらにデルタ株よりも感染の伝ぱもしやすいことからこれまで以上に感染が広がりやすいと言えます。
高齢者などに広まると、一定の確率で重症化することが国内でも見えてきているので、特に感染が拡大している時は会食は少人数でなるべく短時間にするなど、できるだけ感染を広げないように行動する必要があります」
オミクロン株の疑問を聞いてみました
ネット上でもオミクロン株について検索する人が増えています。
オミクロン株と一緒によく検索されていることばから、多くの人が疑問に感じていることを和田教授に聞きました。
オミクロン株と一緒によく検索されていることばから、多くの人が疑問に感じていることを和田教授に聞きました。
Q 従来の変異株よりも重症化しにくいって本当?
A ワクチンを2回接種していればデルタ株と比べて重症化しにくく、入院や死亡が減ることが分かっています。国内のデータをみると、50歳未満の成人は、重症化リスクがかなり下がっています。ただワクチンを接種していない人は、免疫がないことを考えると、一定の重症化リスクは残ると言えます。
Q オミクロン株に特徴的な症状は?
A 上気道で増えやすく、これまで以上にのどの痛みや鼻水が自覚されやすいと言われています。一方で、味覚や嗅覚の障害、デルタ株で指摘された下痢や食欲不振など消化器症状については、減っていると言われています。
Q 初期の症状に違いはあるの?
A オミクロン株の場合、多くの人は最初はあれ?ちょっとおかしいかな?というくらいの、比較的軽い症状から始まります。最初から熱が出て気付く人もいますが、乾燥してのどが痛いのかと思っていたら、どんどん痛くなったり、熱が高くなったりして徐々に悪くなっていくというのが特徴だと思います。個人差はありますが、かぜの症状に極めて近いイメージを持っていただいて結構です。
Q かぜとの見分けかたはある?
A オミクロン株の症状はかぜと見分けが付きにくく、検査するしかありません。
Q 子どもが感染するとどうなる?
A ワクチンが行き届いていない小学生以下の年代が気になると思います。このうち小学生の年代についてはオミクロン株になって重症化リスクはこれまでと比較しても高くなってはいないようです。しかし、感染者が相当数出ている国では重症者は出ています。また、注意して見ていかないといけないのは、5歳以下の子どもです。今感染が広がっているアメリカやイギリスなどで、重症化や入院が徐々に増えているという報告が出ています。国内でも小児の診療体制の構築が急がれています。5歳以下の子どもについては感染対策が難しいですが、できるだけ家庭に持ち込まないようにすることが大事です。
A ワクチンを2回接種していればデルタ株と比べて重症化しにくく、入院や死亡が減ることが分かっています。国内のデータをみると、50歳未満の成人は、重症化リスクがかなり下がっています。ただワクチンを接種していない人は、免疫がないことを考えると、一定の重症化リスクは残ると言えます。
Q オミクロン株に特徴的な症状は?
A 上気道で増えやすく、これまで以上にのどの痛みや鼻水が自覚されやすいと言われています。一方で、味覚や嗅覚の障害、デルタ株で指摘された下痢や食欲不振など消化器症状については、減っていると言われています。
Q 初期の症状に違いはあるの?
A オミクロン株の場合、多くの人は最初はあれ?ちょっとおかしいかな?というくらいの、比較的軽い症状から始まります。最初から熱が出て気付く人もいますが、乾燥してのどが痛いのかと思っていたら、どんどん痛くなったり、熱が高くなったりして徐々に悪くなっていくというのが特徴だと思います。個人差はありますが、かぜの症状に極めて近いイメージを持っていただいて結構です。
Q かぜとの見分けかたはある?
A オミクロン株の症状はかぜと見分けが付きにくく、検査するしかありません。
Q 子どもが感染するとどうなる?
A ワクチンが行き届いていない小学生以下の年代が気になると思います。このうち小学生の年代についてはオミクロン株になって重症化リスクはこれまでと比較しても高くなってはいないようです。しかし、感染者が相当数出ている国では重症者は出ています。また、注意して見ていかないといけないのは、5歳以下の子どもです。今感染が広がっているアメリカやイギリスなどで、重症化や入院が徐々に増えているという報告が出ています。国内でも小児の診療体制の構築が急がれています。5歳以下の子どもについては感染対策が難しいですが、できるだけ家庭に持ち込まないようにすることが大事です。