「ワクチン接種で死亡減らす効果」第5波で分析 “追加接種を”

全国各地の医療機関に入院した新型コロナ患者のデータをもとに感染拡大の第5波でのワクチンの効果を国立国際医療研究センターが分析したところ、高齢の入院患者でも亡くなった人の割合が下がったことが分かりました。オミクロン株による現在の感染拡大でも高齢者を中心に効果的に追加接種を進める必要があるとしています。

国立国際医療研究センターは去年11月1日までの4か月間に全国770余りの医療機関に新型コロナで入院した40代以上の2903人についてワクチンの接種歴と亡くなった割合を分析しました。

それによりますと、1回も接種していない人で亡くなったのは40代と50代では0.5%、60代では4.0%、70代では6.8%、80代以上では23.8%と年代が上がるにつれ高くなっていました。

一方、2回の接種を終えた人では40代と50代で亡くなった人はおらず60代では2.2%、70代では2.8%、80代以上では5.6%と接種していない人に比べて低くなっていました。

グループは第5波では感染者数はそれまで最大だったものの、高齢者のワクチン接種が進んだことで重症者の割合が抑えられたとしていて、今の感染拡大でも追加接種を進める必要があるとしています。

分析したセンターの松永展明医師は「高齢者や基礎疾患のある人はワクチンを接種しても亡くなるリスクが一定程度ある。広く感染を抑える、高齢者を守るという点からも追加接種は重要だ」と話しています。