トンガ噴火 国連が衛星写真を公開 浸水など被害の可能性を指摘

南太平洋のトンガ付近で大規模な火山の噴火が発生してから丸2日が過ぎても被害の詳しい実態がわからない中、国連の機関は、火山とその周辺の衛星写真を公開し、トンガの首都のある島などで津波による浸水などの被害が出ている可能性を指摘しています。

今月15日、トンガの首都ヌクアロファから北におよそ65キロ離れた海底火山で大規模な噴火が発生し、トンガでは最大でおよそ80センチの津波が観測されました。

しかし現地では、電話やインターネットの通信が困難な状態が続いていて、噴火から丸2日が過ぎた今も被害の詳しい実態はわかっていません。

こうした中、国連の衛星センターは17日、噴火の前と後に撮影された火山とその周辺の衛星写真合わせて22枚を入手し、その比較から噴火の影響を分析して公開しました。

このうち、首都のあるトンガタプ島の沿岸の衛星写真では、海岸から100メートル余り内陸まで津波によるとみられる浸水の痕跡があるとしています。

そして、噴火の前と後では2つの建物の様子が変化していることから、被害が出ている可能性があると指摘しています。
また、火山の衛星写真では、先月8日の時点では285ヘクタールの火山島が見えていますが、噴火後の今月16日には同じ場所に海面しか写っておらず、噴火によって火山島の大部分が消失した可能性があります。
さらに、衛星写真からは、トンガの広い範囲で火山灰が積もっているのが確認できるということです。

国連の衛星センターでは引き続き、現地の様子を調査していくことにしています。

周辺の国に酸性雨のおそれ 健康への悪影響も

南太平洋のトンガに近い海底火山で発生した大規模な噴火の影響で、周辺の国々では、今後数日間、酸性の雨が降るおそれがあるとして警戒を強めています。
このうちトンガから西に2000キロほど離れたバヌアツの気象当局は、噴火によって放出されたとみられる高い濃度の「二酸化硫黄」が、国内の複数の地点で観測されたと、17日公表しました。

そのうえで、今後数日間、酸性物質が溶け込んだ雨が降るおそれがあるとして、雨が降った時は屋内にとどまるよう国民に呼びかけています。

また、同じ南太平洋の島国、フィジーの政府も、各家庭に設置されている貯水タンクにふたをするよう呼びかけるなど、健康や環境への悪影響が懸念される酸性の雨に警戒を強めています。

前日の14日にも噴火が観測

今月15日に大規模な噴火が発生した南太平洋のトンガ付近の火山では前日の14日にも噴火が観測されていました。

トンガの地質調査機関が記録した14日の噴火の映像では、火口から大量の噴出物が空高く上がっている様子や、稲妻のようなせん光が走る様子が確認できます。

さらに、噴出物が海面に沿って横方向に広がる様子も見て取れます。

また、14日の時点では、海上に火山島があるのが確認できます。

しかし、EU=ヨーロッパ連合の機関がツイッターで公開した、同じ場所を15日の大規模噴火の後に撮影した衛星画像では、火山島はほとんど見えなくなっていて、EUの機関は「火山島はほとんど完全になくなった」と書き込んでいます。

英の女性が津波に流され死亡か

イギリスのメディアは17日、トンガに住むイギリス人の50歳の女性が津波に流されて死亡したと、女性の親族の話として伝えました。

それによりますと、この女性は、トンガの首都があるトンガタプ島で野良犬を保護する団体を運営していて、犬を助けようと自宅に戻ったところで津波が押し寄せたということです。

夫は、木にしがみついて助かりましたが、女性は流され、水が引いた後、探していた夫が遺体を見つけたということです。

これについて、イギリス外務省はトンガの当局と連絡をとっているとコメントしています。

女性のものとみられるインスタグラムのアカウントには、海底火山が噴火したあとに撮影したという夕焼けの写真が投稿されていて「津波警報が出ているけれど問題はありません。少しの揺れと不気味な静寂。」などと説明がつけられています。