トンガ大規模噴火 徳島や宮城などで漁船や養殖施設に被害

日本時間の15日、南太平洋のトンガで発生した噴火の影響で、徳島県や宮城県など各地の沿岸で、漁船や養殖施設などに被害が出ています。

徳島 海陽町では沈没した船を引き上げ

このうち、津波注意報が出た徳島県海陽町では地元の漁業者が定置網の被害状況の確認や沈没した船の引き上げを進めています。

南太平洋のトンガ諸島で発生した大規模な噴火で、徳島県内では沿岸に津波注意報が出され、15日夜から16日未明にかけて最大50センチの津波を観測しました。

このうち、漁船が転覆するなどの被害を受けた海陽町の宍喰漁港では、17日朝、地元の漁業者がアオリイカなどの漁に使う定置網を引き上げましたが、網はちぎれたり絡まったりして、ほとんどが使えなくなっていました。

また漁港内に沈没している船をクレーンで釣り上げ、船内にたまっていた水をおよそ10人がかりでポンプやバケツでかきだしていました。

所有する定置網に被害が出た漁業者の戎谷清宏さん(40)は、「きのうの未明に港の様子を確認したところ、海がどす黒い色で渦巻いていて相当な被害が出てもおかしくないと思った。満潮の時間帯だったらもっと大きな被害が出ていたと思う。災害なのでしかたがないが、多くの同業者も被害にあっているので、仲間で協力しながら対応していきたい」と話していました。

宮城 東松島 漁船2隻が転覆

また宮城県東松島市の松ヶ島漁港では、津波の影響で2隻の漁船が転覆しました。

市によりますと、転覆したのは港に係留されていた全長9メートルと12メートルの2隻の漁船です。

漁船は17日午前、引き上げられ市の聞き取りに所有者は、「一気に潮が満ちて転覆した」と話しているということです。

午後には、業者が漁船に入った海水を抜く作業を行い、かじやライトには転覆した際についたとみられる泥が確認されました。

宮城 塩釜 ワカメ養殖にも被害

このほか宮城県では、塩釜市沖のワカメ養殖に津波の被害が確認され、漁業者からは補償などの支援を求める声が上がっています。

宮城県内の沿岸部には、およそ14時間にわたって津波注意報が出され、最大70センチの津波を観測しました。

津波注意報の解除から一夜明け、沿岸部ではワカメ養殖に津波の被害が見られています。

このうち、塩釜市沖の松島湾で、ワカメ養殖を行っている赤間俊介さんは17日朝、船で養殖場に向かい、被害状況を確認しました。

赤間さんが撮影した映像では、通常は均等な間隔で浮かんでいるブイが複数の箇所に固まっているのが確認され、ブイにつるした、ワカメの種を植え付けたロープが絡まっているものとみられます。

絡まった状態だと、ワカメに栄養が行き渡らず今後の生育に影響が出てくる可能性があるため、1週間程度かけて復旧作業を行うということです。

すでに傷ついたワカメも見られ、今シーズンの収穫量は1割から2割ほど減る見込みだといいます。

赤間さんは「遠くから津波が来て前代未聞の被害を受けた。今後は復旧しながらの作業となるため収穫量が減る。被害の補償や販売支援などを行政に求めていきたい」と話していました。

塩釜市によりますと、新浜など3か所のワカメ養殖で、津波による被害が確認されているということで、詳しい状況を把握し、対応を検討することにしています。

三重・岩手 カキ養殖用いかだが被害

さらに津波が観測された三重県鳥羽市では、カキの養殖用のいかだが流されるなどの被害が出ていて復旧作業に追われています。

鳥羽市では、16日の午前2時前に60センチの津波が観測され、市によりますと、市内の浦村町の生浦湾でカキの養殖用のいかだ500台が流されたり壊れたりする被害が確認されたということです。

17日朝は、養殖業者が海に出て、いかだを海底とつなげているアンカーロープを直したり、ひっくり返ってしまったいかだを元に戻したりする復旧作業にあたりました。

来シーズンの出荷用に育てているカキのいかだも流されていて、業者では海の中は確認できていませんが、ロープが絡むなどしてカキが傷ついていないか心配だということです。

カキ養殖を営む浅尾大輔さんは「被害が出て肩を落としてはいますが、カキを待つお客さんのために出荷と復旧作業を平行してすすめたいです」と話していました。

岩手県山田町の沿岸でも、カキなどの養殖に使ういかだを固定するロープが海中で絡まっているのが相次いで確認されました。

岩手県山田町の「大沢漁港」にある地元の養殖組合によりますと、カキやホタテの養殖に使ういかだの位置がずれていたため確認したところ、海に沈めたおもりにいかだをつないで固定しているロープが絡まっているのが相次いで見つかり、こうしたいかだは30基に上るということです。

16日の未明には、山田町の北の宮古港や南の釜石港で、いずれも40センチの津波が観測され、養殖組合はこの津波による被害とみています。

養殖組合は、ロープを切って新しいおもりと結び直すことにしていて、漁港では17日朝から、組合員およそ60人が出て、「土俵」と呼ばれる土を入れたおもり2000個を作る作業を進めました。

カキの養殖は今、シーズン後半の出荷作業にさしかかる時期で、養殖組合は波が落ち着くタイミングを見ながら、できるだけ早く、海での復旧作業を行いたいとしています。

大沢養殖組合の鈴木正幸組合長は、「ある程度、覚悟はしていましたが、やはり被害が出てしまいました。早く直したいですが、波が高い状態が続いていて沖に出られない状況です。できるだけ早く直したいです」と話していました。