2回接種の透析患者 新型コロナ感染の死亡率が3分の1に低下

新型コロナウイルスで重症化するリスクが高い、人工透析を受けている患者の死亡率を関連する学会などが調べたところ、ワクチンを2回接種したあとでは3分の1に下がっていたものの、5%余りだったことが分かりました。
死亡したのはすべて高齢の患者で、オミクロン株の感染が急拡大する中、感染対策の徹底と早期の追加接種が重要だとしています。

日本透析医会などでつくる合同委員会は、人工透析を受けている患者で、今月13日までに新型コロナウイルスの感染が確認された2693人のデータを分析しました。

それによりますと亡くなった人は少なくとも426人いて、全体の死亡率は15.8%と高くなっていました。

2回のワクチン接種のあと、2週間以上たってから感染した患者は230人いましたが、70代以上の12人が亡くなっていて、死亡率は5.2%だったとしています。

一方、60代以下では、2回の接種を受けたあと感染して亡くなった人はいませんでした。

合同委員会はワクチン接種によって死亡率は3分の1以下になったとしていて、さらに効果を高めるため、早期に追加接種を受けることが望ましいとしています。

合同委員会の菊地勘委員長は「透析患者はワクチン接種で得られる抗体の量が少なく、2回接種しても死亡率は一般の人よりはかなり高い。オミクロン株が急拡大する中、感染対策の徹底や早期の追加接種が必要だ」と話しています。