大学入学共通テスト 1日目終了 入試センター 警備強化を要請
「大学入学共通テスト」は、一部で雪の影響などによる開始の遅れや英語のリスニングでトラブルがありましたが、すべての会場で1日目の日程を終了しました。一方、会場の1つの東京大学の門の前で受験生など3人が切りつけられる事件があり、大学入試センターは会場となっている全国の大学に警備体制の強化を要請しました。
大学入学共通テストの本試験は、15日から2日間の日程で全国677の会場で始まり、53万367人が出願しています。
このうち東京・文京区の東京大学では、受験生の席の間隔をあけるなど感染対策が徹底される中、午前9時半から予定どおり地理歴史、公民の試験が始まり、午後は国語、外国語、それに英語のリスニングの試験が行われました。
共通テストを実施する大学入試センターによりますと、すべての会場で1日目の日程を終了しましたが、雪や強風などの影響で6会場で合わせて2280人の試験開始が繰り下げられたほか、監督者の対応ミスなどにより2会場で3人が再試験の対象となりました。
また、英語のリスニングでは、埼玉県の獨協大学の会場で試験時間中にチャイムが鳴って357人に影響が生じるなど、45会場で合わせて409人が再開テストを受けました。
過去2番目の多さだということです。
一方、東京大学では門の前で受験生の男女2人と72歳の男性が切りつけられ、名古屋市に住む高校生が殺人未遂の疑いで逮捕される事件が起きたことから、大学入試センターは全国の大学に対し、入り口などで受験票の提示を求め、挙動不審な人物の入構の防止に引き続き努めるよう、警備体制の強化を要請しました。
共通テストは、病気やけがで受験できなかった場合に備え、2週間後の今月29日と30日に追試験が予定されていますが、被害に遭った受験生について文部科学省は、本人の意向やけがの状況を確認したうえで、受験機会の確保に向け最大限対応したいとしています。
2日目の16日は理科と数学の試験が行われます。
東京大学 警備体制を強化 受験生らにHPで緊急メッセージ
大学入学共通テストの会場の1つ、東京 文京区の東京大学本郷試験場では、試験開始前の午前8時半ごろ、門の前で受験生の男女2人と72歳の男性が切りつけられ、名古屋市に住む高校2年生が殺人未遂の疑いで逮捕されました。
事件を受け、東京大学は15日夜、受験生や保護者に向けホームページ上で緊急のメッセージを掲載しました。
この中では「被害に遭われた方にお見舞い申し上げますとともに1日も早いご快癒を心よりお祈りいたします」としたうえで、15日の試験は安全を確認して予定どおり実施されたとしました。
16日の2日目に向けては、警察とも連携してキャンパス周辺の警備体制を強化し、見回りも増やして安全確保を図るとしています。
東京大学は「本学で大学入学共通テストを受験される皆さんにおかれては、2日目も安心して試験に臨んでいただければとせつに願っています」と呼びかけています。
感染対策を徹底 沖縄


その後、試験官から注意事項の説明を受けて、問題と解答用紙を受け取り試験の開始を待っていました。
試験中に体調が悪くなった場合は別室で受験できますが、37度以上の熱などが確認された場合は追試験を受けてもらうことになっています。
追試験は感染するなどして受験できなかった受験生も対象にしていて、今月29日と30日に実施される予定です。
雪の影響で開始繰り下げも 北海道

高校3年生の女子生徒は「緊張していますが、力を発揮できるよういつもどおりに頑張りたい」と話したほか、浪人生だという男性は、「今まで1年間、勉強してきたことを全力で出し切ろうと思います」と話していました。
15日は、2つの会場で雪の影響があり、交通機関に遅れが出たとして、札幌市手稲区にある「北海道科学大学」の会場では、試験の開始時刻を1時間、繰り下げる措置がとられたほか、江別市の「札幌学院大学」の会場では、受験生のうち2人について、開始を2時間繰り下げて別室で試験が行われました。
このうち名古屋市千種区の名古屋大学の会場には、午前8時前から受験生たちが次々に訪れ、大学の入り口に設置された案内図を見て試験会場を確認して足早に会場に向かっていました。
高校3年生の女子生徒は「自分がコロナに感染せず友達にもうつすことがないよう気をつけてきました。今までやってきたことのベストを尽くしたい」と話していました。
また高校3年生の男子生徒は「意識的に人との接触を減らして勉強してきました。ふだんどおり頑張れたらいいなと思います」と話していました。