新型コロナ 全国感染者数 急激な増加続く 経験ない感染拡大に

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、今月に入って全国の感染者数の急激な増加が続いていて、まん延防止等重点措置が適用されている沖縄県など3県のほか、東京都、大阪府、愛知県といった大都市部だけでなく、全国各地でこれまでにないペースでの感染拡大になっています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国 13日までで6.69倍 増加ペース上がり続ける

▽先月16日までの1週間では前の週に比べて1.12倍、
▽先月23日は1.45倍、
▽先月30日は1.60倍と徐々に増加していたのが、オミクロン株の感染が広がるとともに
▽今月6日は4.86倍、
▽今月13日まででは6.69倍と、増加のペースが上がり続けています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ9525人と、去年9月中旬とほぼ同じ水準になっていて、感染者数はすべての都道府県で急増しています。

重点措置適用の地域

まん延防止等重点措置が適用されている地域では、急激な感染拡大が続いています。

【沖縄県】
▽先月30日までの1週間は前の週の3.59倍、
▽今月6日は10.86倍、
▽今月13日まででは4.62倍と急激な拡大が続いています。
1日当たりの新規感染者数はおよそ1389人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は全国で最も多い669.03人となっています。

【広島県】
▽先月30日までの1週間は前の週の3.60倍、
▽今月6日は36.67倍、
▽今月13日まででは6.53倍で、
1日当たりの新規感染者数は616人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は153.78人となっています。

【山口県】
▽先月30日までの1週間は前の週の5.50倍、
▽今月6日は14.30倍、
▽今月13日まででは2.39倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ161人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は83.14人となっています。

1都3県

首都圏の1都3県ではいずれも今月に入ってから増加のペースが上がり、これまでにないスピードでの感染拡大となっています。

【東京都】
▽先月30日までの1週間は前の週の1.65倍、
▽今月6日は4.48倍、
▽今月13日まででは6.90倍と急激に拡大しています。
1日当たりの新規感染者数はおよそ1503人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は75.60人となっています。

【神奈川県】
▽先月30日までの1週間は前の週の1.16倍、
▽今月6日は2.23倍、
▽今月13日まででは8.48倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ477人となっています。

【埼玉県】
▽先月30日までの1週間は前の週の1.54倍、
▽今月6日は4.42倍、
▽今月13日まででは8.87倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ414人となっています。

【千葉県】
▽先月30日までの1週間は前の週の0.91倍、
▽今月6日は6.00倍、
▽今月13日まででは7.88倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は324人となっています。

関西

関西でも大阪府や兵庫県を中心に、感染の急拡大が続いています。

【大阪府】
▽先月30日までの1週間は前の週の1.96倍、
▽今月6日は4.57倍、
▽今月13日まででは6.67倍と急激な拡大が続いています。
1日当たりの新規感染者数はおよそ1102人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は87.56人となっています。

【京都府】
▽先月30日までの1週間は前の週の2.57倍、
▽今月6日は2.79倍、
▽今月13日まででは5.64倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は254人となっています。

【兵庫県】
▽先月30日までの1週間は前の週の1.78倍、
▽今月6日は2.89倍、
▽今月13日まででは9.88倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ326人となっています。

中部

中部地方でも、急激に感染が拡大しています。

【愛知県】
▽先月30日までの1週間は前の週の2.03倍、
▽今月6日は5.39倍、
▽今月13日まででは9.73倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ457人となっています。

【岐阜県】
▽今月6日までの1週間は前の週の30.00倍、
▽今月13日まででは6.77倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数は87人となっています。

【三重県】
▽先月30日まではほとんど感染者が確認されない状態が続いていましたが、その後、徐々に増え、
▽今月6日までの1週間は前の週の5.33倍、
▽今月13日まででは27.31倍となっていて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ62人となっています。

その他

【北海道】
▽先月30日までの1週間は前の週に比べて1.28倍、
▽今月6日は1.41倍、
▽今月13日まででは5.35倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ156人となっています。

また、今月6日までの1週間で感染者の確認が10人以下と、感染が広がっていなかった地域でも急激に増えていて、
▽秋田県では13日までの1週間では前の週に比べて32.5倍、
▽富山県では45.3倍、
▽徳島県では11.4倍、
▽宮崎県では21.5倍などとこれまでにない感染拡大となっています。

東邦大学 舘田教授「第5波超の可能性考えて対策を」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「さらに増加が加速している。アメリカやヨーロッパでは、日本でいうと1日の感染者数が10万人くらいになるようなことが起きている。日本でも感染拡大の第5波を超える大きな波が作られる可能性を考えて対策を取る必要がある」と話しています。

そのうえで「沖縄だけでなく他の地域でも感染者と濃厚接触者の爆発的な増加で医療のひっ迫が起きてくる可能性があることを考えて対策を取る必要がある。一方で、南アフリカなどでは急激な感染の拡大の後、急激な減少も見られている。まずはこれからの1週間、2週間が大事で、できるだけ早い時期にピークを乗り越えて感染を収束する方向に向かわせることが非常に大事だ」と述べました。

また、求められる対策について舘田教授は「オミクロン株でも飲食の場で感染が広がっていることが報告されている。オミクロン株は感染性は高いが、たとえば満員電車の中で黙っているような中や、換気をしている状況で広がっているものではない。今まで言われていたような基本的な感染対策をしっかりと取っていくこと、それに、医療など、エッセンシャルワーカーの現場で、濃厚接触者が非常に増え、仕事に戻れないことをできるだけ減らすために、安全を担保しながら待機期間を短縮し、新しい基準を示していくことが必要になる。また、接種券が届いた人は速やかに3回目の接種を受けることが大事だ」と話しています。