コロナ感染後の高齢者を遺棄 介護施設元所長に実刑判決

新型コロナウイルスに感染し回復したばかりだったため従業員に受け入れを拒まれた高齢の女性を、家族などに無断でアパートで介護し、衰弱に気づきながら放置したうえ、亡くなった後も遺体をそのままにしたとして、保護責任者遺棄などの罪に問われている福島県郡山市の介護施設の元所長に対し、裁判所は懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。

この事件は、郡山市の官野リキイさん(当時83)が去年6月、介護契約を結んでいた施設の近くのアパートで遺体で見つかったもので、所長を務めていた石田兼也被告(40)が、気づきながら医師の診察を受けさせるなどの措置をとらず、亡くなった後も遺体を放置したとして、保護責任者遺棄や死体遺棄などの罪に問われています。

官野さんは新型コロナに感染し回復したばかりだったため、従業員が受け入れを拒んだということです。

14日の判決で、福島地方裁判所郡山支部の小野寺健太裁判官は「一連の犯行は、被告が管理者を務める施設で被害者を受け入れなかったことを取り繕うことが目的だった。自己保身のために被害者の安全などを害したもので卑劣というほかない」と指摘しました。

そのうえで「明らかに衰弱した状態にあった被害者を放置した危険な犯行だ。遺体を2か月弱にわたって放置し死者の尊厳を著しく害した」などとして、懲役5年の求刑に対し、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。

亡くなった官野さんの遺族は判決の後、「死因が分からない状況の中で捜査機関の方々に力を尽くしていただいた結果実刑判決だったのはよかったが、遺族としてはなぜ母が亡くなったのかもっと詳しく知りたかった」と話していました。