オミクロン株 “ワクチン未接種の患者には肺炎症状も”

オミクロン株の患者の対応にあたっている東京都内の大学病院では、多くが軽症でとどまる中、ワクチン接種ができていない患者には肺炎の症状がみられたケースもあり、医師は「大半は軽症かもしれないが、オミクロン株は分かっていないことがたくさんあり、まだ慎重に対応すべきフェーズだ」と指摘しています。

東京 八王子市にある、東京医科大学八王子医療センターでは、先月下旬から空港の検疫で感染が確認された人など、これまでに10人以上のオミクロン株の患者を受け入れています。

感染症科の平井由児教授によりますと、多くの患者がせきやのどの痛みといった軽い症状でとどまる中、一部は中等症まで悪化するケースもみられたということです。

このうち、ことしに入って入院した20代の男性患者は、ワクチン接種ができていないということで、医師が肺のCT画像を確認したところ、肺炎の症状がみられたということです。

現在は回復傾向にあり、13日は、看護師が体温や血圧を測ったり、症状に変化がないか確認したりしていました。

平井教授は「オミクロン株は軽症だと思われているかもしれないが、ワクチンを打っている方と打っていない方の差は少なくともあるかもしれない。ワクチンを打っておらず基礎疾患がある方や、高齢の方が感染した場合、どうなるのか分からない。感染者の分母が増えれば、高齢者などの層にウイルスが入り込む可能性も高い。やはり、まだ分からないことはたくさんあるので、慎重に対応すべきフェーズだ」と指摘しています。

多くの診療科が当番制で担当

東京医科大学八王子医療センターは、コロナ患者の診療において中心的な役割を担う感染症科や総合診療科などの医師が「新型コロナコンシェルジュ」として、指導を行いながら、院内に36ある診療科のうち、6割以上に上る科の医師が日替わりで、その日入院した患者の主治医となって受け持つ体制づくりを進めています。

さらに、感染の拡大に備えて今月18日からは、一時、50床ほどにまで縮小していたコロナ専用病床を、80床余りまで広げるということです。

感染症科の平井由児教授は「現在は、すべての診療科が当番制で診るという仕組みで、そこに私たちのような新型コロナコンシェルジュという役割を設け、主治医になった診療科とコンシェルジュが2つの目線で患者を診ていく。一緒に診療する形でバックアップしていく体制を取っている」と話しています。