拷問や殺害に関与 アサド政権元幹部の男に終身刑 ドイツ裁判所

ドイツの裁判所は、内戦が続くシリアでおよそ4000人の市民への拷問や数十人の殺害に関わったとして人道に対する罪などに問われたアサド政権の情報機関の元幹部の男に対し、終身刑の判決を言い渡しました。

シリアでは、独裁的なアサド政権が反体制派の市民を拘束するなど弾圧を行っていて、国連の調査委員会は去年の報告書で過去10年間で少なくとも数万人が拘束中に殺害されたと指摘しています。

ドイツ西部コブレンツの裁判所は13日、シリアでおよそ4000人の市民への拷問や数十人の殺害に関わったとして、人道に対する罪などに問われたアサド政権の情報機関の元幹部で58歳の男の被告に、終身刑の判決を言い渡しました。

被告はシリアを出国したあと移り住んだドイツで、2019年に逮捕されていました。

弁護側は「被告は拷問を行っておらず、命令もしていない。シリアを出国したあとは反体制派の市民を支援していた」などと無罪を主張していました。

ドイツでは、去年2月にもシリアで市民への拷問を手助けしたとして情報機関に所属していた別の男に禁錮4年6か月の実刑判決が言い渡されています。

検察当局は一連の裁判がアサド政権による組織的な拷問を裁く世界で初めてのケースだとしていて、シリアを逃れた被害者や人権団体などからさらなる解明を求める声が強まっています。