大阪 ビル放火事件 亡くなった院長の同級生「本当に悔しい」

大阪 北区のビルに入るクリニックが放火され、25人が死亡した事件で亡くなったクリニックの院長、西澤弘太郎さん(49)の中学と高校の同級生の男性が取材に応じ、「本当に悔しい気持ちでいっぱいです。事件に負けずに患者の皆さんが職場に復帰することが、彼に対しての弔いになるのではないかという気がしています」と話しました。

男性は中学校の入学以来、西澤さんと30年を超えるつきあいがあり、西澤さんの人柄を多くの人に知ってもらうとともに西澤さんの患者を励ましたいという思いから、NHKの取材に応じました。

男性と西澤さんは中高生のころ、ともにワンダーフォーゲル部に所属し、六甲山や北アルプスの槍ヶ岳を登ったほか休日には2人で旅行に出かけたということです。

少年時代の西澤さんについて男性は「シャイですが、非常に明るく、ときどきおっちょこちょいなところがある、憎めない感じでした。人を楽しませるのが好きで、文化祭などでは漫才みたいなことをしてみんなを笑わせていました」と振り返りました。

その後も交流は続き、毎年のように当時の仲間と集まる忘年会の幹事役はいつも西澤さんが務め、去年11月、電話で伝えられた会の日程は事件後の日付だったということです。

西澤さんとやり取りをしたのはこのときが最後だったということで、男性は「ことしは久しぶりに会えるなと楽しみにしていました。クリニックを開院したという話を一切誰も知らなくて、事件当日はニュースをひとごとのように見ていましたが、夕方に友人から『西澤ではないか』と連絡がありました。間違いであってほしいと祈っていました」と話しました。
事件を受けて忘年会の見送りを考えたものの、仲間たちと相談した結果、予定どおり集まって西澤さんとの思い出を語り合ったということです。

男性は「西澤さんが店を予約したので、彼の写真と一緒にみんなで集まりました。思い出を語りながら大笑いして、大泣きしました。いい友達を持って誇りに思っています。彼はさみしがり屋だったから、来年以降も忘年会に来てくれると思います」と声を詰まらせながら話していました。

また、男性は西澤さんについて「友達どうしで言い合いになっても大声で言い返すこともなく、常に冷静に対応する感じでした」と振り返ったうえで、「きっとクリニックでも同じように患者に接していたと思います。恨まれるようなことはありえないと思います」と話しました。

そして、事件について、「本当に悔しい気持ちでいっぱいです。事件とか犯人のことをどれだけ言っても彼が帰ってくるわけではないので、事件に負けずに患者の皆さんが職場に復帰することが彼に対しての弔いになるのではないかという気がしています」と話していました。