米FRB “記録的インフレ 背景に深刻な人手不足”

アメリカの消費者物価が約39年ぶりの高い水準となる中、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は最新の経済報告を公表し、記録的なインフレの背景に、深刻な人手不足を解消するための賃金の引き上げ競争があると指摘しました。

FRBは12日、全米の12の地区連銀がまとめた最新の経済報告を公表し、国内の経済活動は先月のホリデーシーズンの消費が順調だったなどとして「緩やかに拡大した」とする景気認識を示しました。

一方で、全米の各地で依然として深刻な人手不足が続いていて、レストランや小売店、工場などで稼働時間を縮小する事例が出ているとしています。

こうした中、人手を確保するために企業の間で賃金の引き上げ競争が起き、これによって増加したコストを商品やサービスの値上げで吸収する動きが広がっていると指摘しています。

アメリカでは、同じ日に発表された先月の消費者物価指数が7.0%の上昇と、約39年ぶりの高い水準になっていて、賃上げを伴う形で記録的なインフレが続いている実態がうかがえます。

また、先月以降、感染が広がるオミクロン株の影響で出勤できない人が増えるなどの混乱も起きていて、人手不足が長期化するおそれが出ています。