オミクロン株 世界で拡大 感染者数 各国で過去最多の水準に

変異ウイルスのオミクロン株が世界各地に広がり、各国で一日当たりの新規感染者数が過去最多の水準となっています。

世界全体で1500万人超の感染確認

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は12日、9日までの1週間に新型コロナウイルスの感染が新たに確認された人は世界全体で1500万人を超えて前の1週間に比べて55%増え、過去最多となったことを明らかにしました。

<アメリカ>過去最多140万6500人余の感染者

アメリカでは、CDC=疾病対策センターによりますと一日に報告される新型コロナウイルスの感染者数が10日、140万6500人余りとこれまでで最も多くなり、入院している人の数も14万人余りと過去最悪の水準が続いています。

<ヨーロッパ>イタリアなど過去最多の水準

ヨーロッパでも一日の感染者数がイタリアなどで過去最多の水準が続き、フランスでは12日、36万人余りの感染が新たに確認されたと発表し、過去最多となった前の日に次いで多くなりました。

世界各地で感染拡大鮮明に

このほか12日にはサウジアラビアが5300人余り、クウェートが4500人余りと一日の新規感染者数が過去最多となったと発表したほか、フィリピンでも一日の新規感染者数が10日に3万3000人余りと過去最多を更新するなど世界各地で感染の拡大が鮮明になっています。

中東・湾岸諸国も感染者急増

中東・湾岸諸国でも先月下旬以降、新型コロナウイルスの感染者が急増しています。

サウジアラビア政府は12日、一日の新規感染者数が5362人と過去最多になったと発表しました。

WHO=世界保健機関のまとめによりますと、サウジアラビアでは先月下旬から一日の新規感染者数が増加に転じ、1か月ほどでおよそ100倍に増えました。

またクウェートは12日、一日の新規感染者数が4500人余りとこれまでで最も多くなったと発表したほか、カタールも過去最多の水準が続いていて感染拡大が鮮明となっています。

経済回復を重視する湾岸諸国は国民や外国人労働者に対しワクチン接種を強く促すことで経済活動や国外渡航の規制を緩和してきましたが、感染の急拡大で方針の転換を迫られる可能性も出ています。

カナダ ワクチン未接種者に事実上の罰金

カナダではこの1週間で最も感染者の多いケベック州のルゴー州首相が11日、ワクチンを接種していない人に対し「負担金」として事実上の罰金を求める方針を発表しました。

それによりますと、未接種の人は州の人口の10%程度ですが病院の集中治療室の患者の半数を占めるということで、医療制度の負担になっていると説明しています。

徴収する金額は具体的に明らかにされていませんが、100カナダドル以上、日本円にして9000円以上になる見通しだということです。ただ健康上の理由でワクチンの接種を受けられない人は対象に含めないとしています。

カナダでは先月から変異ウイルスのオミクロン株によるとみられる感染が急速に広がり11日、新たに発表された感染者数は3万4000人余りに上っています。