過去の韓国大統領選挙は? ほぼ10年おきに政権交代

韓国で今年3月、大統領選挙が行われます。

韓国では1987年に民主化されて大統領の直接選挙が行われるようになって以降、およそ10年おきに保守系と革新系が政権交代を繰り返してきました。その中で、保守系の地盤である南東部と、革新系の地盤である南西部の地域対立も、浮き彫りとなりました。過去、四半世紀の韓国大統領選挙を振り返ります。

2017年の選挙 ムン・ジェイン氏当選

投票日:2017年5月9日

ムン・ジェイン氏 41.08% (共に民主党・革新系)
ホン・ジュンピョ氏 24.03%(自由韓国党・保守系)
アン・チョルス氏 21.41%(国民の党・中道系)

投票率:77.2%(+1.4ポイント)

最大政党「共に民主党」のムン・ジェイン氏が、ほかの候補に大差をつけて勝利し、9年ぶりに革新政権が発足しました。

特に若い世代の投票率が上昇したのが特徴で、2012年に比べて、19歳と20代は7.2ポイント高い76.2%、30代は4.2ポイント高い74.2%でした。

この選挙は、パク・クネ大統領が長年の知人らをめぐる一連の事件や疑惑をめぐって罷免され失職したことを受けて、7か月前倒しして実施されました。

ムン氏は、パク氏や保守勢力を厳しく批判し政権交代の必要性を訴え、革新系の支持者に加えて、若い世代をはじめとする首都圏の無党派層など、公平公正な社会を望む有権者から幅広い支持を集めました。

地域別では、伝統的に保守層の多い南東部以外でムン氏が勝利をおさめました。

2012年の選挙 パク・クネ氏当選

投票日:2012年12月19日
パク・クネ氏 51.55%(セヌリ党 保守系)
ムン・ジェイン氏 48.02% (民主統合党 革新系)

投票率 75.8%(+12.8ポイント)

保守系の与党「セヌリ党」のパク・クネ氏が勝利し、韓国初の女性大統領が誕生しました。

投票率は前回を大きく上回り、有権者の関心の高さを示しました。

パク氏は、1960年代から70年代にかけて軍事独裁政権を率いて「ハンガンの奇跡」と呼ばれる経済成長を実現させたパク・チョンヒ元大統領の長女という抜群の知名度を前面に打ち出し、安定を望む保守層や50代以上の有権者から圧倒的な支持を集めました。

また、格差の拡大を招いたなどとして批判が高まっていたイ・ミョンバク政権に対し、与党にいながら一定の距離を置いていたこともプラスに作用しました。

地域別では、ムン氏が革新系の地盤である南西部で圧倒的な支持を集め、首都ソウルでも得票率は50%を超えましたが、パク氏は保守系の地盤である南東部のほか中部など幅広い地域で支持を集めました。

2007年の選挙 イ・ミョンバク氏当選

投票日:2007年12月19日
イ・ミョンバク氏 48.67%(ハンナラ党・保守系)
チョン・ドンヨン氏 26.14%(大統合民主新党・革新系)
イ・フェチャン氏 15.07%(無所属)

投票率:63%(-7.8ポイント・史上最低)

最大野党「ハンナラ党」のイ・ミョンバク氏が、ほかの候補に20ポイント以上の差をつけて勝利し、10年ぶりに保守政権が発足しました。

革新系の与党「大統合民主新党」のチョン・ドンヨン氏は、与党勢力の一本化に失敗して票を伸ばせず、無所属で立候補した保守派の重鎮、イ・フェチャン氏は15%余りにとどまりました。

イ氏は、大手建設会社の会長までのぼりつめた経歴や、ソウル市長としての実績などを強調して経済を立て直すと訴え、雇用不安や、所得格差の拡大に不満を募らせていた国民から支持を集めました。

イ氏は、ソウルで50%を超える票を獲得したほか、革新系の地盤である南西部を除く地域でほかの候補を上回りました。

2002年の選挙 ノ・ムヒョン氏当選

投票日:2002年12月19日

ノ・ムヒョン氏 48.91%(新千年民主党・革新系)
イ・フェチャン氏 46.58%(ハンナラ党・保守系)

投票率:70.8%(-9.9ポイント)

ノ氏は、人権派弁護士の出身で、大物政治家による派閥政治や腐敗などを批判し脱権威主義などを訴えたほか、より多くの国民が参加できる「新しい政治」を掲げ、インターネットを駆使する若い世代を中心に支持を得ました。

また、2002年6月に韓国で女子中学生2人がアメリカ軍の装甲車にひかれて死亡した事故をめぐって反米感情が高まったことも、アメリカに厳しい姿勢を示していたノ氏に追い風となりました。

ノ氏は、革新系の地盤である南西部で9割を超える得票率で圧勝したほか、ソウルで50%を超える票を獲得し、保守系の地盤ながらみずからの出身地である南東部でも2割を超える票を集めました。

1997年の選挙 キム・デジュン氏当選

投票日:1997年12月18日

キム・デジュン氏 40.27%(新政治国民会議・革新系)
イ・フェチャン氏 38.74%(ハンナラ党・保守系)

投票率:80.7%

革新系の野党「新政治国民会議」のキム・デジュン氏が勝利しました。保守系の与党「ハンナラ党」のイ・フェチャン氏とキム氏との差はわずか1ポイントあまりという接戦でした。

韓国では、1997年の通貨危機で財閥企業が相次いで倒産し、IMF=国際通貨基金から緊急支援を受けるなど、政権与党への批判が高まっていました。また、選挙戦で与党勢力が分裂する中、民主化運動を率いたキム氏は4度目の挑戦で大統領の座をつかみました。

キム氏は、保守系の地盤である南東部では1割ほどの得票率だったものの、革新系の地盤である南西部で9割を超える票を獲得し、ソウルでもほかの候補を上回りました。

※ムン・ジェイン(文在寅)、ホン・ジュンピョ(洪準杓)、アン・チョルス(安哲秀)、パク・クネ(朴槿恵)、ハンガン(漢江)、パク・チョンヒ(朴正煕)、イ・ミョンバク(李明博)、チョン・ドンヨン(鄭東泳)、イ・フェチャン(李会昌)、ノ・ムヒョン(盧武鉉)、キム・デジュン(金大中)