偽の版画流通事件 大阪の元画商に懲役3年求刑

戦後を代表する日本画家、東山魁夷の作品をもとにした偽物の版画を制作したなどとして著作権法違反の罪に問われている大阪の元画商の初公判が開かれ、元画商は、起訴された内容を認め、検察は懲役3年と罰金200万円を求刑しました。

検察「偽物の売り上げ 3200万円余」

大阪市で画廊を営んでいた加藤雄三被告(53)は、平成29年からおととしにかけて日本画家の東山魁夷の6つの作品をもとにした偽物の版画を無許可で制作や販売したとして著作権法違反の罪に問われています。
東京地方裁判所で開かれた初公判で加藤被告は、起訴された内容を認め、「修復を依頼していた奈良県の版画工房に試しに複製を頼んだところ、完成度が高かったので販売してみようと思った。著作権者をはじめ、美術業界、購入した人などに多大な迷惑をかけてしまった」と述べました。

検察は「偽物の売り上げは合わせて46件、3200万円余りに上る」として、「前代未聞の犯行で東山魁夷の作品の価値を著しく低下させ、版画業界全体の信頼も失墜させた。顧客が気付かないほど精巧な技術で偽物の制作と販売を繰り返しており、明らかに悪質だ」と述べ、懲役3年と罰金200万円を求刑しました。

これに対し弁護士は「深く反省しており、著作権者への弁償なども始めている」として執行猶予のついた判決を求めました。

判決は3月9日に言い渡される予定です。