【詳細】大学入学共通テスト コロナで受けられなかった場合は?

今月15日・16日に本試験の実施が迫る「大学入学共通テスト」。新型コロナの感染が全国的に「第6波」に突入したという指摘もある中、新型コロナに感染したり、濃厚接触者になったりして、追試も受けられなかった際の新たな救済策が示されました。

ことしの変更点と、コロナ禍における受験上の注意点をまとめました。

この記事でわかること。
▼「大学入学共通テストとは」
▼「濃厚接触者対応の変更点」
▼「相談窓口の専用ダイヤル」
▼「本試験も追試も受けられない場合は」
▼「試験当日の注意点」

「大学入試共通テスト」とは

「大学入学共通テスト」はおよそ30年続いた大学入試センター試験に代わって去年から始まりました。

出題方法はこれまでと同じマークシート方式ですが、内容は、思考力や判断力がより重視され、知識偏重ではなくみずから考えて表現する力が問われます。

ことしは
▽本試験は今週末の今月15日と16日に、
▽追試験は今月29日と30日の日程で実施され、
志願者数はおよそ53万人に上り全国864の大学などの入試に利用される予定です。

▽国公立大学では結果を第1段階の選抜や最終的な合否判定に活用しているほか、
▽私立大学では共通テストの結果のみで選抜する方式をとっているところもあります。

オミクロン株を含む濃厚接触者 4要件満たせば受験可能

新型コロナの変異株、オミクロン株の感染拡大も懸念されていますが、もし保健所から濃厚接触者とされた場合は、4つの要件を満たせば受験が認められます。
具体的には、
▽保健所が実施するPCR検査などで陰性で、
▽受験当日も無症状であること、
▽公共交通機関を利用せず人が密集する場所を避けて試験場に行き、
▽別室で受験することが求められています。

要件を満たす濃厚接触者で受験を希望する場合は、試験の前日1月14日金曜日の午前10時までに、受験票に記載されている「問い合わせ大学」に電話で連絡するよう求められています。

なおオミクロン株の感染者の濃厚接触者への対応としては、
▼ほかの新型コロナの濃厚接触者とは別室であることが望ましいものの、試験会場の運営上、困難であれば同じ部屋でも構わないとし、
▼濃厚接触者の受験生どうしの席を2メートル以上離すことなどが求められています。

去年は要件を満たして別室で受けた受験生は191人でした。

「公共交通機関」タクシーOKに

要件で避けるべきとしている「公共交通機関」の詳細です。

濃厚接触者は、電車やバス、飛行機といった公共交通機関を利用した来場は認められていませんが、国は今月になって「タクシー」と「ハイヤー」それに「海上タクシー」は、
▼仕切りなどの感染対策が講じられていることや、
▼濃厚接触者であることを伝えた上で予約をするといった
一定の条件のもと認めるとしました。

国が相談窓口設置 連絡先は

地域によってはタクシー会社が限られるなど手配できない事態も想定されることから、文部科学省では相談窓口の専用ダイヤルを設け、国土交通省とも連携しながら手配をサポートすることにしています。

○共通テストなど『大学等の入試の場合』は

・電話:03-6734-3317
    03-6734-3321
    03-6734-3323
    03-6734-3343
    03-6734-3763

・メール:gaknyusi@mext.go.jp

異例の救済策を要請

新型コロナに感染したり、濃厚接触者になったりして共通テストを受けられなかった受験生について、文部科学省は各大学に対し個別入試の結果で合否判定するよう異例の要請を行いました。

具体的には、共通テストを利用する大学などに対し、
▼今月15日と16日の本試験と
▼今月29日と30日の追試験の両方を受けられなかった受験生のため、個別入試を利用して合否を判定するよう求めています。

去年の共通テストでは一斉休校などの影響で第2日程が設けられ、本試験と追試験は合わせて3回行われましたが、新型コロナの影響で追試験が認められた人は224人でした。
要請では共通テストだけでなく、各大学の個別入試についても、
▼追試験や振り替え試験を受けられなかった受験生のため面接や小論文や調査書などを組み合わせて再度の追試験を新たに実施するよう求めています。

▼これにより入学が4月以降になることも可能にするとしています。

また各大学の個別入試を受けられなかった受験生が共通テストを受けていれば、その結果や調査書などで合否判定をすることも求めています。

当日の注意点は

共通テストを実施する大学入試センターが挙げている受験上の注意点です。

▼2週間ほど前から体温を測定して健康観察を行い「受験上の注意」の冊子にある「健康観察記録」に記入した上で試験当日に持参すること、
▼体調不良の場合は無理をせず追試験の申請をすること、
▼試験中に明らかに激しいせきを何度もしている場合などは、症状を確認後、追試験の申請をしてもらうこともあるとしています。

その上で、
▼会場内では常にマスクを正しく着用し鼻と口の両方を確実に覆うことを求めていて、
▼フェイスシールドやマウスシールドのみでは受験できないとしています。

▼休憩時間や昼食の際は会話を極力控え、
▼入退室のたびに会場に備え付けられたアルコールなどで消毒を行ってほしいとしているほか、
▼換気のために窓を開けることがあるため上着など防寒着を持参するよう求めています。