乳児を死亡させた罪 母親に無罪判決「心神喪失疑い」横浜地裁

4年前、神奈川県大和市の自宅で生後1か月の長男を床に放り投げて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた母親の裁判員裁判で、横浜地方裁判所は「事件当時、心神喪失だった疑いが残る」などとして無罪を言い渡しました。

大和市の39歳の母親は平成30年8月、自宅のアパートで生後1か月の長男を床に放り投げるなどの暴行を加え、頭にけがを負わせて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われました。

母親は起訴された内容を認め、検察は懲役5年を求刑しましたが、弁護側は「子どもを投げ飛ばせ」といった幻聴や妄想に支配されていたとして、無罪を主張していました。

12日の判決で、横浜地方裁判所の奥山豪裁判長は「被告は当時統合失調症を発症していたと認められ、それまで虐待がなかった長男に急に強い暴行を加えるなど異常な側面がある。幻聴などの圧倒的な影響下にあり、心神喪失だった疑いが残る」などと述べ、刑事責任を問えないとして無罪を言い渡しました。

判決のあと、裁判長は母親に対し「病気の影響を受けていたとはいえ、生後まもない長男が亡くなったのは悲しい結果だ。これまで病気や育児について周囲に助けを求めていなかったが、1人で悩まずに治療してほしい」などと語りかけていました。

横浜地方検察庁の安藤浄人次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議のうえ、適切に対応したい」とコメントしています。