全国男子駅伝 2年連続で中止 広島県内での感染急拡大受け

今月23日に広島県で開催される予定だった都道府県対抗の全国男子駅伝について、日本陸上競技連盟は広島県内での新型コロナウイルスの感染の急拡大を受けて中止すると発表しました。
大会の中止は2年連続です。

この大会は、広島市の平和公園をスタートとフィニッシュに7区間・48キロのコースで行われ、都道府県対抗で中学生から社会人までの7人がたすきをつなぎます。

ことしは全国から600人を超える選手や関係者が大会に参加する予定でした。

しかし、広島県では年明けから新型コロナウイルスの感染が急拡大し、今月9日から駅伝のコースになっている広島市や廿日市市などで「まん延防止等重点措置」が適用されました。

こうした状況を受けて大会を主催する日本陸連などは12日、広島市内で記者会見し、全国男子駅伝を中止すると発表しました。

大会の中止は2年連続です。

中止の理由として、ふだんは別々の所属先で活動している選手やスタッフが集まってチームを編成すること、全国各地から開催地の広島へ選手や関係者が移動することから感染対策が難しいなどとしています。

リモートで会見に参加した日本陸連の風間明専務理事は「1月に入って、広島県で急激に感染が拡大している現状を踏まえ、地域住民の安全確保の観点から苦渋の選択をした。大会を楽しみにしていた人には心苦しいが、ご理解いただきたい」と話していました。

一方、今月16日に京都市で行われる全国女子駅伝は開催される予定です。

全国男子駅伝とは

全国男子駅伝は、陸上の中・長距離の選手の強化や育成などを目的に創設され、平成8年から広島を舞台にレースが行われ、ことしで27回目を迎える予定でした。

1回目の大会は7区間47キロで開催され、平成12年の5回目の大会からは広島市の平和公園をスタートとフィニッシュとする7区間48キロのコースで行われてきました。

各チームは、
▽1区・4区・5区が高校生
▽2区・6区が中学生
▽3区・7区が社会人と大学生で編成されます。

過去には、男子マラソンで去年、日本選手で初めての2時間4分台となる日本記録をマークした鈴木健吾選手や、東京オリンピックで6位に入賞した大迫傑さんなど、国内トップ選手のほか、例年、箱根駅伝などで活躍した大学生も出場しています。

大会は去年、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて初めて中止となり、ことしで2年連続の中止となりました。

広島県チーム 世羅高校選手からは落胆の声

全国男子駅伝が中止になったことについて、先月の全国高校駅伝で2連覇を果たし、広島県チームにも選ばれていた世羅高校の3年生の選手からは落胆の声を聞かれました。

このうち、塩出翔太選手は、高校最後の大会が中止になったことについて「全国高校駅伝にはけがで出られなくて、全国男子駅伝でリベンジしようと思っていたので中止と聞いてショックだった。次回、広島県チームに呼ばれたときには地元に恩返しする走りをしたい」と話していました。

全国高校駅伝の4区で好走を見せた吉川響選手は「今まで全国男子駅伝は1回も走ったことがなく、高校生活の集大成という意味でも走れないのは悔しい。地元の声援に応えられる選手になってまた出場を目指したい」と話していました。

また、全国高校駅伝の1区で区間賞を獲得した森下翔太選手は「目標がなくなってちょっと気が抜けてしまった。将来、区間賞をとるような走りをしたい」と話していました。