トラに襲われけが 現地調査 “除雪作業に追われ確認不十分か”

今月5日、栃木県那須町の「那須サファリパーク」で、飼育員3人が相次いでトラに襲われた事故で、前日にトラをおりに戻す際に、飼育員がふだんは行わない除雪作業に追われた結果、おりに入ったかどうかの確認が不十分になった疑いがあることが動物園などで作る団体の現地調査で分かりました。

今月5日、栃木県那須町にある「那須サファリパーク」で、飼育員の男女3人が屋内の飼育施設の通路付近にいたトラに相次いで襲われけがをしました。

この事故を受けて、動物園などで作る日本動物園水族館協会が再発防止策を検討するため、10日、現地調査を行ったことが関係者への取材で分かりました。

施設などによりますと、トラは前の晩からおりの外側の通路にいたとみられ、前日の担当飼育員が、トラがおりに入ったかどうか確認していなかったことが分かっています。

さらに、今回の現地調査の結果、前日の担当飼育員2人は、当時、おりのある建物周辺に雪が積もっていたため、業務マニュアルの手順にない雪かきを行っていたことが新たに分かったということです。

日本動物園水族館協会は、ふだん行わない除雪作業に追われてトラがおりに入ったかどうか確認が不十分になったとみて、事故原因と再発防止の指針を近くまとめ、全国の動物園やサファリパークに注意喚起する方針です。

また、警察は、引き続き施設側の安全管理に問題がなかったか、業務上過失傷害の疑いで調べています。

那須サファリパーク「調査中なので公表できる段階にない」

那須サファリパークの広報担当者はNHKの取材に対し、日本動物園水族館協会の現地調査に協力したことを認めたうえで「飼育員がどういう行動をとったかは調査中なので公表できる段階にない」と話しています。

現地調査をした団体 “手順にない作業行ったことが大きな背景”

現地調査を行った「日本動物園水族館協会」の辻本恒徳安全対策委員長は12日、NHKの取材に応じ、通常の手順にない除雪作業を行ったことが、事故の大きな背景になったという見方を示したうえで「過去の事故をみても通常の手順とは違う作業が生じることで、動物を収容し忘れるというケースがあった。こうしたヒューマンエラーを事故につなげない取り組みが必要だ」と述べました。