岸田首相 皇位継承の在り方 衆参両院の議長に報告書を提出

安定的な皇位継承の在り方などをめぐって、岸田総理大臣は、衆参両院の議長と会談し、政府の有識者会議がまとめた報告書を手渡しました。
来週には各会派の代表にも政府から内容が説明される予定で、今後、各党の間で議論が行われる見通しです。

国会内で開かれた会談には、細田衆議院議長と山東参議院議長が出席し、岸田総理大臣が安定的な皇位継承の在り方などを議論してきた政府の有識者会議が先月まとめた報告書を手渡しました。

岸田総理大臣は「10回を超える議論を行ってもらい、報告の取りまとめが行われた。政府としてはこれを尊重し、報告申し上げる」と述べました。

これに対し、細田議長は謝意を示したうえで「各党の代表に集まってもらい、検討をお願いする」と述べ、山東議長は「立法府として真摯(しんし)に慎重に、丁寧に検討していく」と応じました。

報告書では「悠仁さまの次代以降について具体的に議論するには機が熟していない」としたうえで、まずは、皇族数の確保が喫緊の課題だと指摘し、女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、旧皇族の男系男子を養子に迎える案の2つの方策を提示しています。

12日の岸田総理大臣の報告に続き、来週18日には、衆参両院の各会派の代表が松野官房長官から報告書の内容について説明を受ける予定で、政府内で検討されてきた皇位継承の在り方は、各党の間で議論が行われる見通しです。

衆参両院の議長が連名で談話「慎重かつ丁寧に検討を」

報告書を受け取った細田衆議院議長と山東参議院議長は連名で談話を出しました。

この中では「今後は、天皇の退位などについて検討した際と同様に、各党・各会派の代表者が参加する全体会議で政府から詳細な説明を受けたあと、まずは各党・各会派で検討をお願いする」としています。

そのうえで「国家の基本に関わる極めて重要な事柄である皇室の在り方については、静ひつな環境で議論を行うことが重要だ。国権の最高機関たる国会で、政府の検討結果と国民各層における幅広い議論を踏まえつつ、両院議長として互いに協力しながら、慎重かつ丁寧に検討を進めていきたい」としています。

細田衆院議長「各党で意見十分検討を」

細田衆議院議長は、報告書を受け取ったあと記者団に対し「各党の意見がまとまらないと、法改正につながるかどうかも含めて、立法府として勝手に『こうしたい』というわけにはいかない。まずは各党で意見を十分、検討していただいて、そのうえでということになる」と述べました。

松野官房長官「有識者会議の報告書を尊重」

松野官房長官は、午前の記者会見で「有識者会議は、衆参両院の委員会の付帯決議に示された課題について、大変丁寧に議論を尽くしてもらったものと考えている。政府としては、これを尊重することとし、国会に報告をしたところだ」と述べました。

また、記者団から「報告書では女性・女系天皇など皇位継承の資格者を拡大する具体策について言及されていないのではないか」と問われたのに対し、松野官房長官は「有識者会議では、皇位継承についても必要な議論がなされているものと承知している」と述べました。

自民 茂木幹事長「意見集約進める」

自民党の茂木幹事長は、党本部で記者団に対し「有識者会議で13回にわたり丁寧な議論が積み重ねられ、非常にバランスのとれた報告書になっている。党内でも、事柄の性格上、静かな環境の中で意見集約を進めていきたい」と述べました。

立民 西村幹事長「報告書の内容は不十分」

立憲民主党の西村幹事長は、記者会見で「報告書の内容は不十分で、先延ばしできないはずの課題をさらに先延ばしにし、国会が付帯決議で求めたものとは全く異なっている。党内で速やかに検討を行い、党としての考え方を明確にしたい」と述べました。

維新 馬場共同代表「党の考え方 とりまとめたい」

日本維新の会の馬場共同代表は、記者会見で「党内にプロジェクトチームを設置して、党としての考え方をとりまとめたい。安定的な皇位継承のあり方をめぐっては、これまでの党内の議論で、女性天皇や女系天皇を容認する声もあったと記憶しており、所属議員の多くが納得できる考え方をとりまとめたい」と述べました。