政府 3回目ワクチン接種前倒しに向けて自治体の取り組み後押し

新型コロナの感染の急拡大を受け政府は、新たな対策をまとめました。
高齢者などにとどまらず、一般の人への3回目のワクチン接種も前倒しできるよう、大規模接種会場の設置など自治体の取り組みを後押しすることにしています。

新型コロナウイルスの感染が各地で急拡大する中、東京では、10日までの1週間、新型コロナの感染が確認された一部の人を対象に検査したところ8割近くの人がオミクロン株に感染している疑いがあることがわかりました。

こうした中、政府は、ワクチン接種の前倒しなどを盛り込んだ新たな対策をまとめました。

3回目の接種については、高齢者などへの接種をさらに前倒しし、ことし3月以降本格化する見通しの一般の人たちへの接種も前倒しする方針です。

岸田総理大臣は、全国知事会に接種加速の協力を要請し、金子総務大臣らには、大規模接種会場の設置など自治体の取り組みの後押しを指示しました。

防衛省も、大規模接種会場を改めて開設する方針で、12日に会議を開いて、具体的な会場の選定などを始めることにしています。

また、オミクロン株が子どもに感染するケースも多く見られるとして、政府は、今は接種対象になっていない12歳未満の子どもへの接種も希望者にできるだけ早く始めるとしています。

一方、新型コロナの影響で、大学入学共通テストを受けられなかった受験生のため、文部科学省は、11日夜、各大学に、個別入試の結果で合否を判定するよう異例の要請を行いました。

岸田総理大臣は、就任から100日を迎えた11日「重要なことは、国民の命を守り抜くことだ。未知なるウイルスとの戦いだが、十分な備えをしたうえで、過度に恐れることなく、国民みなで協力をして、この状況を乗り越えていきたい」と述べました。

政府としては、オミクロン株のさらなる感染拡大に備え、3回目のワクチン接種の前倒しなど新たな対策を着実に実行に移していきたい考えです。