世界経済フォーラム“ワクチン不平等が格差広げ分断リスクも”

ダボス会議を主催する世界経済フォーラムは11日、新型コロナウイルスのワクチン接種の不平等が、世界の経済格差を一段と広げ、社会の分断や地域の緊張を悪化させるリスクがあるとする報告書を公表しました。

世界経済フォーラムは、各国の政治経済のリーダーや学識経験者らを対象に広く調査を行って、世界が直面するさまざまなリスクについて、例年この時期に報告書をまとめており、ことしはおよそ1000人から意見を聞きました。

それによりますと、ウイルスの感染拡大が続く世界経済の今後3年の見通しについて、回復が進むという回答はおよそ1割にとどまりました。

その一方で、およそ8割の回答は、今後3年間は、新たな変異ウイルスといったリスクが次々とあらわれたり、国際社会の勝者と敗者の分断が進んだりすると予想しています。

また、ワクチン接種の不平等で、各国間の経済回復の格差が一段と広がることによって、地政学的な緊張が悪化したり、気候変動対策や移民問題、宇宙開発といった共通の課題に対する協調や取り組みが、停滞したりするリスクがあるとしています。

世界経済フォーラムは、こうしたリスクを乗り越えるためには、世界経済が公平で迅速に回復するよう、世界のリーダーが一丸となって取り組む必要があるとしています。