仏 オミクロン株とみられる感染拡大 医療や交通機関で人手不足

フランスでは、新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株とみられる感染が急速に広がる中、隔離される人が相次ぎ、医療や交通機関などでの人手不足も課題となっています。

フランスでは、先月下旬からオミクロン株とみられる感染が急拡大し、今月に入ってからは一日の感染者数が30万人を超える日も相次いでいます。

フランス政府は、各地に無料の検査場を設置することで、感染者を早期に発見して隔離につなげ、感染拡大を抑え込もうとしています。

フランス全土の病院や薬局、鉄道の駅などに設けられた検査場には、連日平均150万人が詰めかけています。

パリの薬局に設けられた検査場に訪れた40歳の男性は「今後も新しい変異ウイルスが次から次へと出てくると思われ、本当に複雑な状況ですが、対応していくしかないです」と話していました。

隔離される人が相次ぐ中、医療や交通機関での人手不足も課題となっています。

このうちフランス国鉄は、必要な人員が確保できなくなっているなどとして、今月10日から高速鉄道は10%、各地域を結ぶ路線は20%、それぞれ運行する本数を減らしています。

一方、フランス政府は、ワクチンの接種率を上げることにも力を入れていて、飲食店や長距離の交通機関を利用する際に接種証明の提示を義務づける法案について、今月の施行を目指しています。

ただ、今月8日には法案に反対するデモが各地で行われ、合わせて10万人が参加するなど、反発する声も根強く、接種率をどう向上させるかが課題です。

イギリスやイタリアでも感染拡大 オミクロン株か

ヨーロッパでは、オミクロン株によるとみられる感染が急速に広がっています。

フランスでは、去年10月ごろには数千人だった一日の感染者は、寒さが本格化する中で徐々に増え、先月後半から急増しました。そして今月には、一日の感染者が30万人を超える日もあります。

イギリスやイタリアでも、今月、過去最多を更新しました。

このため隔離される人が相次いで、公的なサービスを支える人員が不足するなど、社会活動への影響も広がっています。