「まん延防止措置」きょうから適用の地域では

新型コロナ対策をめぐり、沖縄、山口、広島の3県に9日からまん延防止等重点措置が適用されました。
対象地域の繁華街や観光地では人通りが少なくなっています。

広島 宮島 人通り少なく

対象地域となった広島県廿日市市の宮島では3連休にもかかわらず、ふだんは多くの観光客でにぎわう商店街も人通りが少なくなっています。

50年近く営業を続ける土産物店では、年末年始の売り上げが例年の7割程度まで回復してきただけに落胆の声が上がっています。

この店を経営する佐々木健一さんは「感染者が増えていたので、やっぱりかという感じです。観光業界は疲弊しているので、政府には一時的ではなく継続した支援を求めたい」と話していました。
また、島内にあるホテルでは、今月末までに修学旅行生を中心におよそ1000人分の宿泊予約が入っていましたが、ほとんどがキャンセルとなり、11日以降、予約が入っていない日は休業も検討しています。

「宮島ホテルまこと」の田畑健一支配人は「いつになったら終わるのかという感じで正直、ギリギリの状態です。感染が落ち着いてまたお客さんに来てもらえるように、できるかぎりの感染対策を続けます」と話していました。

沖縄 北谷町 繁華街は閑散

沖縄本島中部の北谷町の繁華街は、若者や観光客に加え、アメリカ軍基地が近くにあることから、軍関係者でもにぎわう人気のスポットです。

しかし、9日午前中、地元の人や外国人の姿が時折見られましたが、街は閑散としていました。

一方、行き交う人のほとんどがマスクを着用していましたが、マスクをつけていない外国人の姿が見られました。
また、繁華街の一角には無料のPCR検査センターが設置されていて、検査を待つ人たちの長蛇の列ができていました。
近くに住む82歳の女性は「感染しないか不安なので、スーパーが混み合う前に買い物を済ませてきました」と話していました。

また、祖父母の長寿のお祝いのため神奈川県から帰省したという30代の女性は「事前に薬局で抗原検査キットを買って陰性を確認してきました。3年ぶりの帰省で祖父母はすごく喜んでくれていますが、お互い不安な気持ちもありますし、沖縄から職場に戻るのも心配です」と話していました。

また、名護市から家族3人で来た男性は「映画と食事を済ませたら早々と切り上げて帰ります」と話していました。

沖縄 国際通りも人通りが少なく

ふだんは多くの観光客などでにぎわう沖縄県那覇市の国際通りも、人通りが少なくなっています。

2週間前から沖縄に旅行に来ているという岩手県の80代の夫婦は「滞在している間に感染者が急増したのは残念です。今回、5回目の沖縄ですが、今度来る時はマスクの着用が不要になっていればいいなと願っています」と話していました。

那覇市の30代のカップルは「時短営業の要請など飲食店の方々の負担が大変だと思います。これだけ増えてくると、いつ、自分が感染してもおかしくないと不安になります」と話していました。

60代の男性は「第6波も第5波と同じように基本的な感染対策をするしかないと思っています」と話していました。

山口 岩国 公園などの公共施設が閉鎖

「まん延防止等重点措置」が山口県岩国市に適用されたことを受けて、市は今月末まで、公園などの公共施設を閉鎖しています。

このうち「愛宕山ふくろう公園」はふくろうを模した大型遊具などがあり、ふだんは市民やアメリカ軍関係者の親子などが多く訪れています。

しかし、不特定多数の人が集まり、感染が拡大するおそれがあるとして、岩国市は8日から今月末まで大型遊具の利用の中止を決めました。
公園には中止を知らせる日本語と英語の貼り紙が掲示されているほか、遊具の周りにも柵が設置されていて、子どもと遊びに来たものの貼り紙を見て引き返す人もいました。

2歳の孫と近くを散歩していた市内の50代の男性は「これまでも人が多かったので利用を控えていた。今の感染状況を考えれば仕方ないと思う」と話していました。

岩国市では公共施設の閉鎖のほか、成人式などのイベントも中止や延期になっていて、詳細は市のホームページなどで確認してほしいとしています。