日米「2プラス2」“中国念頭に協力 あらゆる選択肢を検討”

日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」が、岸田政権の発足後、初めて開かれ「共同発表」をまとめました。中国などを念頭に、必要であれば両国で協力して対処していくとしたうえで、日本も防衛力の強化に向け、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有も含めた、あらゆる選択肢を検討していく決意を明記しました。

林外務大臣と岸防衛大臣、アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官による日米両政府の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」は、7日午前7時半すぎから、およそ1時間半、テレビ会議方式で行われ、成果文書となる「共同発表」をまとめました。

この中では、中国が海洋進出の動きを強めていることが政治や経済、それに軍事などの面で国際的な課題となっているとして、懸念を共有したうえで「地域の安定を損なう行動を抑止し、必要であれば対処するために協力することを決意した」と明記しています。

そのうえで、アメリカは、日本の施政が損なわれる一方的な行動に結束して反対し、沖縄県の尖閣諸島に日米安全保障条約第5条が適用されることを再確認したことも盛り込まれています。

また、
▽新疆ウイグル自治区や香港の人権問題への懸念や、
▽台湾海峡の平和と安定の重要性に加え、
▽北朝鮮による核・ミサイル問題への認識も共有し、拉致問題の即時解決の必要性でも一致したとしています。

そして、岸田総理大臣が、年内にも改定する方針を示している国家安全保障戦略など、安全保障関連の3つの文書について、日米両国で整合性を確保しながら取り組む方針が示されています。

そのうえで日本としても、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有も念頭に「ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要な、あらゆる選択肢を検討する決意を表明した」と明記し、地域の平和と安定のために、これまでより踏み込んだ対応をとっていく姿勢を鮮明にしています。

さらに、北朝鮮が5日に発射した弾道ミサイルについて、音速の5倍以上にあたる極超音速技術によるミサイルだと公表する中、極超音速技術に対抗するため、共同分析を始めることで一致したとしています。

このほか、沖縄のアメリカ軍普天間基地を名護市辺野古に移設する計画の継続を含め、在日アメリカ軍の再編計画を加速させる重要性も盛り込まれるなどしています。

一方、閣僚協議で、林外務大臣と岸防衛大臣は、在日アメリカ軍の施設での感染状況を踏まえ、地元の不安を解消するため、外出制限を含めた措置の強化と徹底をアメリカ側に強く求めました。

これに対して、アメリカ側は「できるかぎりの対応をしていきたい」と述べたということです。

林外相「重要な議論できた」

林外務大臣は、閣議のあとの記者会見で「日本を取り巻く戦略環境が厳しさを増す中、日米同盟は一層、重要となっている。日米両政府は、国家安全保障戦略をはじめ、戦略文書の見直しを進めていて、日米同盟をいかに進化させ、現在、そして将来の挑戦に効果的に対処し続けるかについて重要な議論ができた」と述べました。

岸防衛相「同盟の一層の強化に取り組む」

岸防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で「日米同盟の抑止力・対処力の抜本的な強化に向け、具体的な議論を進めることを確認した。日米同盟が取り組むべき課題は多岐にわたるが、この同盟が地域や国際社会の平和と安定、繁栄のために不可欠であることの証左であり、一層の強化に取り組んでいく」と述べました。

中国「内政に乱暴に干渉 中国を中傷している」

中国外務省の汪文斌報道官は7日の記者会見で「中国の内政に乱暴に干渉し、虚偽の情報を作り出して中国を中傷しており、地域の国々の団結と相互信頼を破壊するものだ。強烈な不満と断固たる反対を表明する」と述べ、厳正な申し入れを行ったことを明らかにしました。

また、汪報道官は、日本が、アメリカやオーストラリアと相次いで会談し、中国などを念頭に協力を深めていることに触れたうえで「関係する国々は、地域の平和と安定の建設者となるべきで、うそをふりまいて障害を作り出すトラブルメーカーにならないよう求める」と述べ、けん制しました。