尿素水品薄で化学メーカー増産 “今月中にも需給改善へ”

ディーゼル車の排ガスを浄化するのに必要な尿素水が品薄になっていることを受けて、国内の化学メーカーが増産に乗り出しています。物流への影響も懸念されていますが、国は今月中にも需給が改善に向かう見込みだとしています。

尿素水はディーゼル車の排ガスを浄化する装置に使われ、足りないとエンジンがかからないトラックもあります。

しかし、原料となる尿素のおよそ3割を頼っていた中国で去年10月、輸出前の検査が厳しくなったため、尿素水は品薄となり、今も手に入りにくい状況が一部で続いています。

こうした中、国内の化学メーカーが増産に乗り出していて、三重県川越町のメーカーでは、サウジアラビアなど中国以外の国から尿素の調達を増やし、フル稼働で生産を続けています。

年末も休みを返上し、先月の出荷量は前の年の同じ時期と比べて、およそ2倍に増えたということです。

尿素水の品薄によって物流に影響が出ることも懸念されていますが、経済産業省は国内メーカーの増産などで、今月中にも需給が改善に向かう見込みだとしています。

三重県のメーカー、オプティの猪野栄一社長は「トラックやバスなどを止めるわけにはいかないので、供給が足りないのならば補っていこうと努力している。過剰な買いだめなどはしないようにしてほしい」と話しています。

尿素の国内増産も

尿素水だけでなく、原料となる尿素も国内での増産が始まっています。

原料の尿素は、およそ半分を中国などから輸入し、残りは国内の化学メーカーが生産しています。

尿素水の品薄を受けて経済産業省は国内メーカーに尿素の増産を要請していて、このうち尿素の製造拠点としては国内最大級の工場を持つ三井化学は、去年10月から翌月にかけて定期的なメンテナンスで工場の操業を止めていましたが、先月以降は高い水準で生産をしているということです。

また大手の日産化学も、11月から工場のフル稼働が続いているということです。

経済産業省は、原料の増産が本格的に始まったことも尿素水の需給の改善につながっているとみています。

一方、尿素水をめぐっては、ネット上で高値で転売されるケースも相次ぎました。

業界の関係者は、日本以上に中国からの尿素の輸入が多かった韓国で尿素水不足が深刻になり、不安に感じた一部の業者による買い占めがあったのではないかとみていて、フリマアプリ大手のメルカリも利用者に冷静な対応を呼びかけています。