飼育員を襲ったトラ 前日の夜 獣舎に戻されていなかったか

5日、栃木県の那須サファリパークで飼育員3人がトラに襲われた事故で、施設のマニュアルに反し、前日の夜、トラが獣舎に戻されていなかった疑いがあることが施設側の調査で分かりました。飼育員の1人は右手首から先を失う大けがをしていて、警察は安全管理に問題がなかったか、詳しい状況を調べています。

5日午前、栃木県那須町の那須サファリパークで飼育員の男女3人がトラに襲われ、このうち22歳の女性飼育員は右手首から先を失う大けがをしました。

警察などによりますと、26歳の女性飼育員がトラを屋内の飼育施設から屋外に移動させる準備をしていた際に、本来、トラがいないはずの移動用の通路付近で鉢合わせして襲われたとみられ、助けに入った2人もかまれるなどしたということです。

施設のマニュアルでは、夜間、トラを鍵のかかる獣舎に戻すことが定められていますが、前日の夜、担当した別の飼育員はマニュアルに反し、トラが獣舎に入ったのを確認していなかったことが施設側の調査で分かりました。

一晩中、獣舎の外の飼育員を襲った通路にいた疑いがあるということです。

警察は、飼育員から話を聞くなどして施設側の安全管理に問題がなかったか詳しい状況を調べています。

専門家「猛獣と同じ空間に入らないこと徹底を」

「那須サファリパーク」で飼育員3人がトラに襲われた事故について、サファリパークや動物園での安全対策に詳しい日本動物園水族館協会の成島悦雄専務理事は「動物が居住スペースに入りたくないなどのケースはある。何らかの事情で前の晩に飼育員がトラを通路に置き去りにしたのであれば、そのことを別の飼育員に伝えるなど連絡を怠ったことが問題だ。襲われた女性の飼育員もトラが居住スペースにいるだろうという『思い込み』が悲劇につながった。トラはネコの大きなぬいぐるみのように見られがちだが、猛獣なので『同じ空間には入らない』ということを徹底することが重要だ」と話していました。