米ファウチ博士 オミクロン株 「感染対策緩めるべきではない」

新型コロナウイルスの感染者の急激な増加が続く中、アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は、変異ウイルスのオミクロン株について「重症化しにくいとしても、大量の感染者が出れば医療機関には大きな負担となる」と述べ、対策を緩めるべきではないと警告しました。

アメリカでは、新型コロナウイルスの感染者の急激な増加が続き、一日に報告される感染者の数は1週間の平均でおよそ55万人に達しているほか、新たに入院する人も一日およそ1万5600人、死者の数もおよそ1200人と、増加傾向が続いています。

アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は5日の会見で、オミクロン株はこれまでの変異ウイルスよりさらに感染力が強く、感染の急激な拡大につながっているとしたうえで「複数の研究から、オミクロン株はほかの変異ウイルスに比べて重症化しにくいことが示されている」と述べました。

しかし、感染拡大が現在のペースで続いた場合「重症化しにくいとしても、多くの感染者が出れば医療機関には大きな負担となる。ワクチンの接種や、マスクの着用といった感染対策を緩めるべきではない」と警告しました。

東部メリーランド州は4日、新型コロナウイルスに感染して入院している人が3000人を超え、過去最も多くなったとして非常事態宣言を出したほか、アメリカ各地でも医療従事者の感染が相次ぐなど医療のひっ迫への懸念が高まっています。