仏大統領 ワクチン接種しない人を批判 野党から猛反発

フランスのマクロン大統領が、政府が提出した新型コロナウイルスのワクチン接種を強く促す法案の目的について「接種しない人をうんざりさせたい」と述べたことに対し、野党から猛反発が上がり、法案成立への影響が懸念されています。

フランス政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種を強く促すため、飲食店や長距離の交通機関を利用する際、接種証明の提示を義務づける法案を議会に提出しました。

これについてマクロン大統領は、5日付けの地元紙「パリジャン」の読者によるインタビュ-で、ワクチンを接種していない人が重症化して集中治療室に入り、ほかの病気の患者への対応に影響が出ていると指摘したうえで、接種をしない人たちを「無責任だ」と批判しました。

そのうえで、法案の目的について「ワクチンを接種しない人をうんざりさせたい。徹底的にやる」と強い言葉で訴えました。

フランスでは、ワクチン接種を完了した人が77%で頭打ちになっていると指摘される中、マクロン大統領としては、社会生活を制限することで、接種をしない人たちへの圧力を強めたい考えです。

これに対して野党からは「国を分断する発言で大統領にふさわしくない」などと猛反発が上がって議会の審議が一時中断される事態となり、法案成立への影響が懸念されています。