東京都 新型コロナ 新たに390人感染確認 この2日で4倍近くに

東京都内の5日の感染確認は390人となり、この二日で4倍近くになりました。
また、5日までの7日間平均は、前の週のおよそ3倍となり、都内で感染者が急増しています。

東京都は5日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて390人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

一日の感染の確認が300人を超えるのは、去年9月26日以来です。

また5日は、1週間前の水曜日より314人多く、およそ5倍に増えました。

都内では3日、103人が確認され、この二日で4倍近くになりました。

また、4日の151人と比べても2倍以上です。

また、5日までの7日間平均は135.6人で、前の週の302%と3倍余りとなり、都内で感染者が急増しています。

都の担当者は「年末年始の長い休みが明けたあとである程度増えると思っていたがかなり多いという認識だ」と話しています。

また、5日感染が確認された390人のうち、53%に当たる207人はワクチンを2回接種していました。

5日感染が確認された390人のうち感染経路が分かっていないのは、3分の2に当たる264人でした。

一方、感染経路が分かっている115人のうち最も多いのは「家庭内」の68人でした。

都の担当者は「まずは外で感染しないことが大事だが重症化しやすい高齢者などがいる場合は家庭内でもマスクをしたり、食事の時間を分けたりすることなども意識してほしい」と話しています。

また、都の基準で集計した5日時点の重症の患者は4日より1人増えて3人でした。

死亡した人の発表はありませんでした。

専門家「オミクロン株とデルタ株 両にらみで対応を」

各地で新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染が確認される中、東京都内でも感染者が急増しています。

現在の状況について、感染症対策に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は「気候的な要因と合わせて、年末に人との接触が増えたことなどが数として表れているのではないか。“ことしは集まろう”という形で年末は前の年に比べて宴会も多かったと思うし、“もう大丈夫だろう”という気の緩みも、増加につながっているのではないか」と指摘しました。

また、「オミクロン株は感染力が強く2月には第5波を上回る感染者数になる可能性もある。一方で重症化しやすいデルタ株の感染も止まっているわけではないため無視できる状況ではなく、両にらみでの対応が必要だ」と述べました。

そのうえで、「これまでと感染対策が変わるわけではないので、マスクや換気の徹底など、緩んでいるところをもう一度見直して行うことが重要だ。感染者が増加傾向にあることは間違いないので、さらに増加してパニックにならないよう今のうちから想定して家庭や職場で準備をすることが大事だ」と呼びかけました。

東京都内で5日、390人の感染が確認されたことについては「今週は、1日に100人から200人程度の感染者数になると想定していたが、急に予想をはるかに超える数字になってしまった。この状況では、来月には6000人から7000人になることも十分にありえる」と話しました。

そして、「年末に医療機関が休んでいて検査を受けられなかった人が年が明けて検査を受けた可能性もあるため、検査の集中によるものか感染が拡大したのかは今週の後半の感染者数を見ていく必要がある」と述べました。

オミクロン株“ワクチン接種済みでも油断せず対策徹底を”

東京都内では、4日までに合わせて55人が新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが確認されています。

都が、この55人について、ワクチンの接種状況を調べたところ、
▽67%にあたる37人は、2回の接種を済ませていたことがわかりました。
また、
▽3回、接種していた人も1人いたということです。

一方、
▽1度も接種したことがない人は15人
▽1回接種していた人は2人でした。

都は「ワクチンを接種していても、オミクロン株に感染するリスクがあることが明らかになっている。接種を済ませている人も油断せず、感染防止対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

専門家「オミクロン株は2回接種だけでは安心できない」

感染症対策に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は「2回接種をしていたとしても、時間が経過するとオミクロン株の感染を防ぐという意味では、効果が期待できないと言える」と指摘しました。

そのうえで「2回接種をして、自分は感染しないと思っている人も多いかもしれないが、それは違う。オミクロン株については2回接種だけでは安心できない」として、感染対策を改めて徹底するよう呼びかけました。