年末年始も往診続く 感染拡大傾向で医師を増員 その現場は

オミクロン株の感染が広がる中、年末年始の期間も新型コロナウイルスに感染した自宅療養者や発熱を訴える人たちに対して医師グループが往診を続けていました。

首都圏を中心に多くの医師が登録するグループ「ファストドクター」は自治体の委託を受けて自宅療養者の往診を行っていて、年末年始の期間中は感染が増加傾向だったことから当初より医師を20人増やし、1日100人近くの医師で対応に当たりました。

このうち、大みそかの夜9時ごろに医師が往診したのは新型コロナに感染し自宅療養を続けている都内の80代の女性です。

女性は一度入院したあと、自宅療養を続けていましたが、食事や水分を十分にとれず、けん怠感もあったことから医師が点滴を行っていました。

女性はワクチンを2回接種していたということで「無理に食べることもできず、コロナでこのような症状になるとは思いませんでした」と不安そうに話していました。

また、都内の30代の男性は38度の熱のほか、せきや鼻水の症状がありましたが、年末で病院が見つからず往診を依頼したということです。

男性は妊娠中の妻と幼い子どもと同居していて不安を募らせていましたが、抗原検査では陰性の結果となり、少し安心した様子になっていました。

医師グループによりますと、年末年始の期間、発熱などの相談は1日に多いときで1500件寄せられたということです。

「ファストドクター」の代表、菊池亮医師は「軽症の患者が多いが、肺炎を起こしている患者もまだ少ないもののいたし、診察ではオミクロン株への不安を感じている患者が多かった。12月からは発熱患者の相談が増え流行の兆しを感じていて、3回目接種が進むまで、それぞれが感染対策を徹底することが求められる」と話しています。