ワクチン 3回目接種が本格化へ 供給限られ円滑な接種に課題も

新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種が、ことしから本格化します。
新たな変異ウイルス、オミクロン株への対策で、自治体では接種を前倒しする動きが広がる一方、ワクチンの供給が限られる中で、どう接種を円滑に進めていくかが課題です。

3回目のワクチン接種は、オミクロン株に対しても一定の効果があるとされ、厚生労働省は2回目から原則8か月以上としていた時期をできるだけ前倒しする方針です。

医療従事者や高齢者施設の利用者、職員などは6か月以上たっていれば3回目の接種の対象となり、前倒しを行う自治体では今月から本格化します。

一般の高齢者も、7か月以上たった人は来月から対象になり、医療従事者や高齢者施設の利用者などへの接種が完了していれば、自治体の判断で今月からに前倒しもできます。

64歳以下の一般の人への接種や、職域接種については、現時点では間隔が8か月となっていて、本格化するのは3月からになる見通しです。

懸念はワクチンの供給量

一方、接種の前倒しにあたって懸念されるのがワクチンの供給です。

厚生労働省は、ファイザーと年内に1億2000万回分の供給を受ける契約を交わしていますが、前倒しで輸入できるめどは立っていません。

このため、2回目までと異なるメーカーのワクチンを接種する「交互接種」も行われますが、ファイザーを希望する住民が多ければファイザーのワクチンが不足して接種が遅れるおそれがあります。

また、自治体は当初、8か月の間隔を想定して準備をしていたため、前倒しに向けて接種会場や打ち手の看護師などの確保も必要になります。

さらに厚生労働省は、5歳から11歳の子どもについても3月以降に1回目の接種を開始する想定で準備を進めるよう自治体に求めていて、自治体の負担が集中する中、接種をどう円滑に進めていくかが課題です。

3回目のワクチン 接種の時期と対象者は

3回目接種を前倒しした場合の対象者と時期です。

厚生労働省によりますと、今月対象となるのは、去年7月までに2回接種した人のうち、医療従事者89万人と、高齢者施設にいる65歳以上の高齢者など343万人、それに高齢者施設の職員など158万人です。

▽来月は、去年7月までに2回目の接種をした一般の高齢者2227万人と、去年6月までに2回接種した64歳以下の一般の人など14万人
▽3月は、去年8月に2回目の接種をした高齢者291万人と、去年7月に2回目の接種をした64歳以下の313万人が新たに対象となり、「職域接種」でも去年7月までに2回目の接種をした170万人が対象になります。

▽4月は、去年9月に2回目の接種をした高齢者57万人と、去年8月に2回目の接種をした64歳以下の1186万人と職域接種の576万人
▽5月は、去年10月に2回目の接種をした高齢者33万人と、去年9月に2回目の接種をした64歳以下の1461万人と職域接種の185万人
▽6月は、去年11月に2回目の接種をした高齢者16万人と、去年10月に2回目の接種をした64歳以下の1289万人と職域接種の204万人が新たに対象となります。