スピードスケート 高木・新濱ら男女15人が北京五輪代表内定

日本スケート連盟は、31日まで行われた北京オリンピックの代表選考会などの結果を受けて代表内定選手、合わせて15人を発表しました。

スピードスケートの北京オリンピック代表選考会は、31日まで3日間、長野市のエムウェーブで行われ、日本スケート連盟は、大会終了後に会場で代表に内定した女子選手8人、男子選手7人の合わせて15人を発表しました。

女子では前回のピョンチャン大会で3つのメダルを獲得した日本の中長距離のエース、高木美帆選手が1000メートルと1500メートル、それに女子団体パシュートなどでメダル獲得の期待がかかります。

高木選手は記者会見の中で「代表に選ばれて身の引き締まる思いだ。自分がこのうえないくらい出し切ったと思えたら結果はついてくる。強い気持ちで挑みたい」と意気込みを話しました。

また、前回500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手は、今シーズンもワールドカップのこの種目で優勝していて、スピードスケートで日本選手初となるオリンピック連覇を目指します。

男子は500メートルの代表メンバーに入った新濱立也選手、村上右磨選手、それに森重航選手の3人は、いずれも初出場ながら、世界トップレベルの力を持つ実力者です。この種目で日本選手が1998年、長野大会の清水宏保さん以来6大会ぶりの金メダル獲得なるか注目です。

代表に内定した15人と出場種目

<男子>
新濱立也(500m、1000m)
森重航(500m、1000m)
村上右磨 (500m)
小島良太 (1000m、1500m)
一戸誠太郎 (1500m、5000m、マススタート)
小田卓朗 (1500m)
土屋良輔 (10000m)
<女子>
小平奈緒 (500m、1000m)
高木美帆(500m、1000m、1500m、3000m)
郷亜里砂 (500m)
佐藤綾乃(1500m、3000m)
高木菜那 (1500m、マススタート)
押切美沙紀(5000m)
小坂凛(マススタート)
堀川桃香(5000m)

女子団体パシュートは、高木美帆選手・高木菜那選手・佐藤綾乃選手・押切美沙紀選手

新濱立也とは

新濱立也選手は、北海道出身の25歳。短距離が専門で、男子500メートルの日本記録保持者です。

身長1メートル83センチ、体重89キロの体格を生かした、爆発的なスピードが持ち味で、2020年の短距離世界一を決める国際大会で日本の男子選手としては33年ぶりに総合優勝を果たしました。

今シーズンのワールドカップは500メートルで2回優勝していて、初出場となるオリンピックで金メダル獲得を目指します。

記者会見で新濱選手は「やっとスタートラインに立てたという思いで率直にうれしい。オリンピックを目指すことを心に決めてからずっと500メートルの金メダルを目標にここまでやってきた。今の自分の最大限の力を発揮して悔いのないレースをして、金メダルという目標を達成できるように頑張っていきたい。1000メートルでも自分の最大限のレースをして一つでも上の順位にいけるようにしたい」と話していました。

森重航とは

森重航選手は北海道出身、21歳の大学生です。短距離が専門で、体のバネを生かした軽やかなカーブワークに定評があり、今シーズンからナショナルチームでの練習に参加したことで体力、技術ともに急成長を遂げました。

ことし10月、全日本距離別選手権の男子500メートルで実績のあるライバルたちを抑えて優勝すると、初参戦したワールドカップでも日本選手で2人目となる33秒台をマークして初優勝を果たすなど勢いに乗っています。

男子500メートルの日本記録保持者、新濱立也選手と同じスポーツ少年団出身です。

記者会見で森重選手は「素直にうれしいという気持ちと選考会の3日間のレースを通してみんなの熱い思いなどを感じて、その人たちの分までしっかり頑張ってきたいという気持ちになっている。短距離は今までのオリンピックで日本選手がたくさん活躍しているので、自分もしっかりと頑張って、周りの人を楽しませるようなレースをしたい」と話していました。

村上右磨とは

村上右磨選手は、北海道出身の29歳。短距離の500メートルが専門です。

持ち味は、スタートから100メートルまでのスピードで世界トップレベルの速さを誇ります。

大学を3年生で中退したあと、本格的に競技に取り組み独学で記録を伸ばすなどトップスケーターとしては異色の経歴の持ち主です。

昨シーズン、国内大会の500メートルはほぼすべてのレースで日本記録保持者の新濱立也選手を抑えて優勝しました。

北京大会がオリンピック初出場となります。

日本選手として1998年の長野大会、清水宏保さん以来となる男子500メートルの金メダル獲得を目指します。

記者会見で村上選手は「ピョンチャンオリンピックに出られなくて悔しい思いをして4年間頑張り続けてきた。今までずっと支えてくれた家族やコーチ、チームメイトに感謝の気持ちでいっぱいだ。オリンピックでは自分のベストパフォーマンスを 目標にして、頑張ってきたい。みんなが憧れるオリンピックでレースができることを誇りに思って、自分らしいスケーティングをして笑顔で帰ってきたい」と話していました。

小島良太とは

小島良太選手は長野県出身の23歳。同じ長野県出身の小平奈緒選手を指導する結城匡啓コーチのもとで着実に力をつけてきました。

今シーズンはトップスピードが上がったことでワールドカップの1000メートルで6位に2回入るなど好調をキープしています。

記者会見で小島選手は「今、実感がふつふつとわいてきていて、素直にうれしい。しれつな短距離の争いの中で選ばれたので、身の引き締まる思いだ。最大限を尽くして自分の納得のいく滑りをして、今まで支えてくれた多くの方々に感謝の気持ちを伝えられればと思っている。オリンピックは遠い憧れの存在だったが、自分の力を表現できる舞台になった。いろいろな選手の4年間の思いが詰まった緊張感のある舞台になると思うが、その中で楽しく滑って頑張りたい」と話していました。

一戸誠太郎とは

一戸誠太郎選手は、北海道出身。中長距離を専門としていて、男子1500メートルと男子5000メートルの日本記録保持者です。

2020年に行われた世界選手権の短距離から長距離の4種目で争う「オールラウンド」で日本の男子選手として23年ぶりの表彰台となる総合3位に入るなど、着実に力をつけてきました。

オリンピックは2大会連続の出場となります。

記者会見で一戸選手は「うれしいという気持ちと、ワールドカップで男子パシュートの日本の出場枠を逃してしまった悔しさや申し訳なさが入り交じった気持ちでいる。1500メートルはメダルのチャンスがあると思うので、メダルを目指して頑張っていく。前回のピョンチャン大会は覚悟が足りていなかったと感じていて、ただ出るだけの大会になってしまったとすごく反省した。ピョンチャンでの思いを繰り返さないようにこの4年間全力で走ってきた。北京オリンピックに挑戦することができるスタートラインに立たせてもらったので、最高のパフォーマンスをしたい」と話していました。

小田卓朗とは

小田卓朗選手は、北海道出身の29歳。2大会連続のオリンピック出場です。

前回のピョンチャン大会は、1000メートルと1500メートルいずれも5位と、惜しくもメダルに届きませんでした。

記者会見で小田選手は「自分が選ばれたうれしさとチームメイトたちが落ちたことの悲しさをいろいろ感じつつ、責任感がすごく大きくなって、頑張らなきゃいけないという気持ちでいっぱいだ。金メダルを目指して頑張るが、自分が今まで脳内で描いてきたいちばん速いレースを現実にすることが目標だ。男子は若い選手がたくさん入ってきて、前回のピョンチャン大会とはメンバーがだいぶ変わった。男子最年長ということで、しっかりとした行動を見せられるように頑張りたい」と話していました。

土屋良輔とは

土屋良輔選手は、群馬県出身の27歳。専門は長距離で、ピョンチャン大会は、5000メートルで16位、1万メートルは10位でした。

オリンピックは2大会連続の出場となります。

今シーズンさらに強化した持久力を生かして目標はメダル獲得です。

記者会見で土屋選手は「うれしい気持ちは大きいが、いろいろな選手の無念や悔しさを背負って代表という立場に選ばれた以上、中途半端なことはできないという強いプレッシャーと決意を感じている。10000メートルは自分がいちばん大切にしてきた種目だし、世界で戦うという強い意志を持ってこの4年間やってきた。ピョンチャンオリンピックでは悔いばかりを残してしまったので、悔いなく終わることができるように、メダル獲得を目指すというのを 前提に、全力で最後まで振り絞って自分を誇れるようなパフォーマンスをしたい」と話していました。

小平奈緒とは

小平奈緒選手は、長野県出身の35歳。ワールドカップの女子500メートルと1000メートルで通算34勝を誇る日本女子の短距離のエースで、女子500メートルの日本記録保持者です。

オリンピックには2010年のバンクーバー大会で初めて出場し、女子団体パシュートのメンバーとして銀メダルを獲得しました。

前回のピョンチャン大会では500メートルでオリンピック記録を更新して金メダル、1000メートルで銀メダルを獲得しました。

昨シーズンは、股関節の違和感の影響で一時不調に陥りましたが、シーズン中に、陸上のトレーニングで回復を図ったことが功を奏し、今シーズンは、ワールドカップの500メートルと1000メートルでそれぞれで優勝を果たしました。

北京大会では、500メートルで日本選手として初めての2大会連続の金メダル獲得が期待されます。

記者会見で小平選手は「私自身としては4回目のオリンピックになるが、ここまで長い間、世界と戦えてきたんだなという気持ちで、またこの舞台に立てることがすごく楽しみだ。順位とか記録はその時に出た現実がすべてなので、その時を駆け抜けて多くの人に今の私の生きざまを示せたらいい。ピョンチャンオリンピックまでは競技者としてすべて記録のために過ごしていた時が多かったが、その後にどうしても自分の体と向き合わないといけない現実があった。またもう一度滑ることができるようになり、純粋にスケートを楽しめる幸せをかみしめながら迎えられるのが北京オリンピックかなと思う。皆さんの期待どおりになるか分からないが、私自身では人生最高の滑りが発揮できると信じているので、このまま駆け抜けていきたい」と話していました。

高木美帆とは

高木美帆選手は、北海道出身の27歳。持ち前の持久力と氷に力を効率よく伝えるスケーティング技術に優れた世界屈指のオールラウンダーです。

女子1500メートルで世界記録、1000メートルで日本記録を持っています。

オリンピックは2010年のバンクーバー大会で日本のスピードスケート史上、最年少の15歳、中学3年生で初出場し注目されました。

前回のピョンチャン大会は、1500メートルで銀メダル、1000メートルで銅メダル、そして、女子団体パシュートで、金メダルを獲得しました。

その後も、世界オールラウンド選手権で、日本選手で初となる総合優勝や1500メートルでの世界記録更新などトップスケーターとして第一線を走り続け、今シーズンのワールドカップでは1500メートルと1000メートルでそれぞれ優勝しています。

3回目となるオリンピックでは個人種目の金メダル獲得を狙います。

姉は、ピョンチャン大会で金メダルを2つ獲得した高木菜那選手です。

高木美帆選手は「身の引き締まる思いだ。いろいろな環境がある中でこうやって選考会を開催していただけたこと、その中で、昔からずっと一緒にやってきた 選手などが滑っているのを見届けたうえで、また私もさらに頑張ろうと思った。この大会でいろいろな感情を感じたので、その思いも抱えて走って行けるように、強くなっていきたい。自分がこのうえないくらい出し切ったと言えるレースができれば必ず結果がついてくると言えるぐらいの4年間を過ごしてきたと思っているので、強い気持ちで挑みたい。北京オリンピックに対しては自分でも驚くくらい前回のピョンチャン大会とは違う感覚がある。ゼロから向き合っていきたい」と話していました。

郷亜里砂とは

郷亜里砂選手は、北海道出身の34歳。2回目のオリンピック出場で、北京大会は500メートルに出場します。

前回のピョンチャン大会は、500メートルで8位入賞を果たし、1000メートルでは13位でした。

前回大会のあと、一時は現役を引退しましたが、2019年に復帰し、北京大会を目指してきました。

記者会見で郷選手は「素直にうれしい気持ちだ。1回スケートから離れて戻ってきてからの3年間、いろいろなことがあった。スケートの楽しさや大変さを感じることができたので、楽しんでレースをしたい。ピョンチャンオリンピックの時は涙を流して終わってしまったので、今回は笑って終われるオリンピックにしたい」と話していました。

佐藤綾乃とは

佐藤綾乃選手は、北海道出身の25歳。中長距離が専門で、初出場だったピョンチャンオリンピックは、女子3000メートルで8位入賞を果たしたほか、女子団体パシュートのメンバーとして、金メダルを獲得しました。

今シーズンは、ともに練習する高木美帆選手から刺激を受け、トップスピードとカーブワークが向上し、ワールドカップの1500メートルでは連続で表彰台に上るなど力をつけてきました。

記者会見で佐藤選手は「素直にうれしいという気持ちと、改めて責任感を持って挑まなければいけないという気持ちを感じている。メダル獲得という目標に向かってしっかり頑張っていきたい。常に笑顔でいるというのをいちばん大切にしているので、どんな結果であろうが必ず笑ってレースを迎えて、オリンピックを終えたい。ピョンチャン大会からの4年間で自分で気付くぐらい大きな変化を遂げていると思っているので、北京オリンピックでは最大のパフォーマンスができるように頑張りたい」と話していました。

高木菜那とは

高木菜那選手は、北海道出身の29歳。前回、ピョンチャン大会の女子団体パシュートと、女子マススタートの金メダリストで、日本の女子選手として初めて、オリンピックの1つの大会で2つの金メダルを獲得しました。

オリンピックは3大会連続の出場となります。

今シーズンは、効率的に氷に力を伝える滑りに磨きをかけ、ワールドカップ第4戦の1500メートルで2位に入りました。

妹は、中長距離のエース、高木美帆選手です。

記者会見で高木菜那選手は「すごくうれしい気持ちと、選ばれなかった仲間たちの熱い思いを自分の力に変えて最高の滑りがしたいと改めて思った。1500メートルでは表彰台に上がること、マススタートとパシュートでは金メダルという目標を有言実行できるように全力で戦いたい。オリンピックの雰囲気を楽しみながら、自分の中でもいちばんいいオリンピックにしたい」と話していました。

押切美沙紀とは

押切美沙紀選手は、北海道出身の29歳。パワーと持久力を生かした力強い滑りが持ち味です。

2014年のソチ大会では、女子1500メートルで22位、女子団体パシュートで4位でした。

前回のピョンチャン大会は女子5000メートルに出場し9位でした。

ピョンチャン大会のあとはけがなどの影響で競技から離れていましたが、2020年に3シーズンぶりに復帰しました。北京大会が3回目のオリンピックとなります。

記者会見で押切選手は「私は2シーズン、スケートから離れたあとの選考だったので、素直にうれしいし、ここに戻って来ることができた自分を誇らしく思う。自分のできることを積み重ねてきたので、ベストを尽くせるようにというのが目標だ。スケートを離れたことで、人としても成長したり変われたりしたと思う部分がある。今の自分がいちばんいいと思っているので、それを発揮できるようにしたい」と話していました。

小坂凛とは

小坂凛選手は、北海道出身の20歳。中長距離を専門としていて、カーブのテンポのいい滑りが持ち味です。

今シーズンの国内開幕戦、全日本距離別選手権では、選手が一斉にスタートして1周400メートルのコースを16周する「マススタート」で優勝して、ワールドカップにも参戦しました。

オリンピックは初出場となります。

記者会見で小坂選手は「ただただ信じられない気持ちがある。今まで以上に気を引き締めていかなければいけないと思っている。今シーズンはなかなか自分の思うような滑りができなかったが、日本のトップ選手と一緒に行動することで、滑りを学んだり、ふだんの生活の中での姿をたくさん勉強したりしていきたい。オリンピックは普通の国際大会とは違う雰囲気だと思うので、それをしっかり自分の体で感じて、4年後や8年後に向けてたくさん学んできたい」と話していました。

堀川桃香とは

堀川桃香選手は、北海道出身。高校3年生の18歳です。

中長距離が専門で、代表選考会では、女子3000メートルで5位、5000メートルで2位と存在感を示しました。

記者会見で堀川選手は「すごくうれしい。今できるベストを最大限出して、最後に笑って終われるように頑張りたい。前回のピョンチャンオリンピックを生で見て、すごく感動した。次は自分が感動させられるようなレースをしたい」と話していました。