核拡散防止条約 再検討会議の延期決定 来年8月開催案含め調整

ニューヨークの国連本部で来年1月に開催が予定されていたNPT=核拡散防止条約の再検討会議は、アメリカで新型コロナウイルスの感染が拡大している影響を受けオンラインでの開催も検討されていましたが、核軍縮をめぐる交渉は対面でなければ難しいとして延期されることが決まりました。

国連や加盟国は来年8月に開催する案を含め日程を調整するとしています。

世界の核軍縮の方向性を議論するNPTの5年に1度の再検討会議は1月4日から28日までニューヨークの国連本部で開催される予定でした。

しかし、アメリカで新型コロナの感染が急速に拡大し国連本部でも感染者の確認が相次ぐ中で1月4日の開会はいったん見送られ、30日に加盟国が再び協議した結果、会議そのものを延期することで合意しました。

国連の外交筋によりますと、各国は会議をオンライン形式で開催することも検討したものの核軍縮などをめぐる複雑な交渉は対面でなければ難しいという意見が相次いだということです。

また開催の時期について再検討会議の議長に内定しているアルゼンチンの代表は、感染状況が改善する前提で、できるだけ早い時期を目指したいとしていて、来年8月に国連本部で開催する案を含め今後、国連や加盟国が日程を調整することになりました。

感染拡大の影響を受けてNPTの再検討会議が延期されるのは4回目で、核軍縮に向けた議論が一層停滞することが懸念されています。