WHO事務局長 “ワクチンの公平な分配急ぐべき”

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、年内に人口の40%が新型コロナウイルスのワクチン接種をする目標を達成できない加盟国が92にのぼるとして、ワクチンの公平な分配を急ぐべきだと改めて訴えました。

WHOは年内にすべての国で人口の40%が新型コロナウイルスのワクチンを接種するという目標を掲げていました。これについて29日に記者会見したテドロス事務局長は、達成できない加盟国が92に上ると述べました。

理由として
▽途上国への供給量が限られていたことや
▽分配したものの有効期限が迫っていたり接種に必要な注射器が不足していたりしたことがあげられるとしています。

テドロス事務局長は「40%の目標は達成できるはずだった。道徳上恥ずべきことであるだけでなく、命を代償にしウイルスが広がり変異する機会を与えている」と述べ、公平に分配されないことで世界的大流行を長引かせているという認識を示しました。

WHOなどが主導する公平分配の枠組み「COVAXファシリティ」では当初、年内に20億回分を分配する計画でしたが、感染状況の悪化や先進国からの寄付が滞ったことを背景に分配できたのは8億回余りにとどまっています。

テドロス事務局長は来年半ばまでに世界のすべての国で人口の70%が接種をするという目標を達成するため、ワクチンの公平な分配を急ぐべきだと訴えました。