オミクロン株 濃厚接触者変更 背景に送迎など自治体の負担集中

オミクロン株への対応をめぐり、政府は感染者と同じ飛行機の乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いについて、28日から感染者周辺の乗客だけに改めました。背景には、濃厚接触者が増え続ける中、宿泊施設などへの送迎を担っている自治体に負担が集中していた実態がありました。

千葉県は、27日午後5時時点で、オミクロン株の濃厚接触者として、およそ760人の健康観察を行っています。

検疫施設での待機を終えた濃厚接触者は原則、居住地の自治体が迎え入れることになっていて、千葉県は、本来、感染者を搬送する車両を使って、1日当たり平均でおよそ30人の濃厚接触者を宿泊施設や自宅に送り届けています。

県によりますと、感染防止のため一人一人、個別に送り届ける必要があるうえ、多いときは50人以上送迎せざるをえない状況になっていたということです。

中には、海外から中部空港に到着した濃厚接触者を迎えに行くケースもあり、ドライバーは、朝5時に千葉県を出発し、送迎を終えて再び戻ってくるのが夜8時になったこともあったということです。

政府が、感染者と同じ飛行機の乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いについて、28日から感染者周辺の乗客だけに改めたため、県は、ある程度、負担は軽減されるとみていますが、感染者数が再び増えないかどうか注視しています。

千葉県疾病対策課の葛見浩副課長は「オミクロン株の関係で、かなりの数の搬送車両を使っていて、これから感染者数が増えていくと、かなり搬送が厳しくなる。年末年始に入るので、県庁一丸となって対応していきたい」と話しています。