生乳 “大量廃棄を食い止めたい” 消費促す各地の取り組み

牛乳などの原料となる生乳がかつてない規模で余り、この年末年始に全国でおよそ5000トンが廃棄される懸念が出ています。
何とか消費を広げようと、各地で“あの手この手”の取り組みが行われています。

ホットミルクを半値で販売 福岡 天神

学校給食がなくなり1年の中で最も生乳の需要が減る年末年始にあわせ、27日「JA全農ふくれん」が福岡市 天神の直営店で、牛乳を格安で販売しました。
売り場では福岡県産の牛乳を使ったホットミルクが特別に用意され、1杯180ミリリットルが50円と、同じ牛乳の小売価格の半値ほどで販売されました。

ホットミルクを購入した50代の女性は「飲むことで助けになればと思って買いに来ました。飲みやすくておいしいです」と話していました。
「JA全農ふくれん」営農開発部の清原京香さんは「生産者が丹精を込めて作った牛乳です。近くのスーパなどで好きなものを買って、消費してもらいたいです」と話していました。

無料引換券を全世帯に配布 北海道 弟子屈町

北海道の弟子屈町では無料で牛乳と交換できる引換券が全世帯に配られ、27日から引き換えが始まりました。
酪農が盛んな弟子屈町では、地元の農協が1リットル入りの牛乳と交換できる無料の引換券を町内すべてのおよそ3800世帯に5枚ずつ配布しました。
地元の農協系列のスーパーで交換が始まると、券を持った人たちが次々と訪れ牛乳を受け取っていました。
中には5枚すべてを使って、5リットル分と交換する人もいました。
すべての券が使用されれば、町内でおよそ2万リットルの牛乳が消費されるということで、農協は積極的な使用を呼びかけています。

引き換えに来た町民は「酪農家は大変だと思うので、いつもの2倍は牛乳を飲んで消費します」とか「シチューなどの料理にも使いたい」などと話していました。
JA摩周湖の川口覚 代表理事組合長は「年末年始は厳しい需要の状況になるので、ぜひ牛乳を飲んで健康増進とともに寒さを乗り越えてもらいたい」と話していました。

元日に神社で無料配布へ 北海道 旭川

北海道旭川市内の神社では、来年の元日、初詣の人たちに無料で牛乳を配り消費拡大を呼びかけることになりました。
牛乳が配られるのは、旭川神社、上川神社、北海道護国神社、永山神社、鷹栖神社、それに神楽神社です。
牛乳は、ホクレン旭川支所から200ミリリットルのパック5300個が無償で提供されるということです。

旭川神社の芦原大記 禰宜は「生乳の大量廃棄に対して神社としてできることを考えました。わずかな量だが地元の酪農業を守るための一助になればと思います」と話しています。

“毎日コップ1杯の牛乳を飲むと「脳梗塞」の予防に” 研究も

毎日コップ1杯の牛乳を飲むと血圧の上昇が抑えられ「脳梗塞」の予防につながる可能性があるという研究結果を岩手医科大学のグループが発表しました。

岩手医科大学の研究グループは、県内で2002年から2004年にかけて集団健診を受けた40歳から69歳までの1万4000人が、その後の12年間に脳梗塞を発症したかどうかと、どれだけ牛乳を飲んだかの関係性を調べました。
その結果、牛乳を1週間にコップで「7杯以上12杯未満」飲むと答えた女性は、1週間に「2杯未満」と答えた女性より脳梗塞の発症が47%も低くなっていたということです。
牛乳に含まれるカリウムやカルシウムなどには血圧を下げる効果があるということで、研究グループは牛乳を飲むことで血圧の上昇が抑えられ、脳梗塞の発症リスクが下がった可能性があるなどとしています。
一方、男性は、脳梗塞の発症リスクを高めるたばこなどを吸う人が多く、関連性の証明はできなかったということです。

研究グループは「引き続き、牛乳と脳梗塞の発症リスクの関係を調べ、脳卒中の死亡率の低減につなげたい」と話しています。