福島第一原発の処理水 政府が風評対策など行動計画実行を指示

東京電力 福島第一原子力発電所の処理水を、海に放出する方針をめぐり、政府は、中長期的な風評被害対策などを盛り込んだ「行動計画」を、まとめました。
松野官房長官は、今も風評への懸念があるとして「行動計画」に盛り込んだ対策を、着実に実行に移すよう指示しました。

東京電力 福島第一原発の、トリチウムなどの放射性物質を含む処理水を、国の基準を下回る濃度に薄めて海に放出する方針をめぐり、政府は28日、関係閣僚らによる会議を開きました。

そして、中長期的な風評被害対策などを盛り込んだ「行動計画」を、まとめました。

「行動計画」には、IAEA=国際原子力機関が、放出の影響を評価して来年中にまとめる中間報告書の内容を、国内外に発信することや、今年度の補正予算に計上した300億円の基金を活用して、風評への対策として水産物の販路拡大の取り組みを支援することなどが盛り込まれています。

また、処理水を放出する前に、地域や業種の実情に応じた賠償の基準を取りまとめ、請求方法を周知していくことなども明記されています。
松野官房長官は「日本の科学的な説明が海外で受け入れられる一方、各地の自治体や農林水産業者など、いまだ処理水放出による風評への影響などを懸念する方々が多いことも事実だ」と述べ「行動計画」に盛り込んだ対策を、着実に実行に移すよう指示しました。

西銘復興相「風評の払拭に向け情報発信」

西銘復興大臣は、閣議のあとの記者会見で「関係閣僚に対し、各国の要人などと面談する際には、復興の現状を説明してほしいとお願いした。引き続き、政府が一丸となり、風評の払拭(ふっしょく)に向けて、科学的根拠に基づいた情報発信などの取り組みを推進したい」と述べました。

全漁連 岸会長「一方的で極めて遺憾 強い憤りと厳重抗議」

全漁連全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は「一方的に進められようとしていることは極めて遺憾であり、強い憤りとともに厳重に抗議する。漁業者や国民の理解を得られない処理水の海洋放出に断固反対だと改めて表明する」という声明を出し、全漁連として政府の方針に抗議しました。

東京電力「当事者としての役割 しっかりと果たす」

一方、東京電力は「政府の処理水に関わる基本方針を踏まえた対応を引き続き徹底するとともに、今回取りまとめられた行動計画を重く受け止め、風評影響の最大限の抑制に向けて当事者としての役割をしっかりと果たすべく取り組んでまいります」とするコメントを発表しました。