北朝鮮 “キム総書記出席し党中央委総会開催” 核開発など焦点

北朝鮮のメディアは、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が出席して、重要政策を決定する朝鮮労働党の中央委員会総会が27日に開催されたと伝えました。総会は2日目が開かれる見通しで、核・ミサイル開発やこう着状態が続くアメリカとの関係について新たな方針が打ち出されるかが焦点となります。

28日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、キム・ジョンウン総書記が出席して、重要政策を決定する党の中央委員会総会が27日に開催されたと伝えました。

この中で今回の総会について「党と国家によることしの政策の執行状況を総括し、新たな発展期を切り開くための戦略と課題を議論して決定することになる」としていて、2日目が開かれる見通しです。

北朝鮮では30日、キム総書記が軍の最高司令官に就任してから10年の節目となり、核・ミサイル開発やこう着状態が続くアメリカとの関係について新たな方針が打ち出されるかが焦点となります。

また長引く経済制裁や、新型コロナウイルスの感染対策として国境を封鎖し、経済が打撃を受ける中、経済の立て直しについても話し合われるものとみられます。

軍優先の父親と違う統治スタイル示すねらいか

キム・ジョンウン総書記は、ことし朝鮮労働党の党大会をはじめ、中央委員会総会、政治局会議、末端組織の幹部を集めた「細胞書記大会」など、さまざまな党の重要会議を開催しました。

会議では、新型コロナウイルスの感染対策から、対米関係の方針まで内政や外交の重要課題について指示を出してきました。

28日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」には、スーツ姿のキム総書記が会議の参加者に手ぶりを交えながら発言している写真が掲載されています。

党の重要会議を相次いで開くねらいについて、韓国の通信社、連合ニュースは「父親のキム・ジョンイル氏は、党より軍を優先し、個人のカリスマに頼った。父親と違って『党による指導』を強化するキム・ジョンウン氏の統治スタイルを示している」という見方を伝えています。

一方、キム総書記の、ことしの動静に関する報道は過去2番目に少なく、新型コロナへの感染を警戒して、地方などでの視察を減らし、会議を多く開催している可能性も指摘されています。