中国軍関係者指示でソフト不正購入未遂か 元留学生に逮捕状

日本に入国していた元留学生が、中国人民解放軍の関係者の指示を受けて、高度な技術が導入された日本製のセキュリティーソフトを不正に購入しようとしていた疑いがあることが分かり、警視庁は詐欺未遂の疑いで逮捕状を取りました。
警察当局は、中国がサイバー攻撃を行う目的で情報収集をしていたとみて、実態の解明を進めるとともに、元留学生を国際手配する方針です。

捜査関係者によりますと、30代の中国人元留学生は、5年前の2016年、日本国内で販売されている高度な技術が導入されたコンピューター用のセキュリティーソフトを不正に購入しようとした疑いが持たれています。

このソフトを購入できるのは日本国内の企業に限定されていますが、元留学生が中国人民解放軍と関係がある人物から指示を受けて、架空の会社名で購入手続きを行っていたことが分かったということです。

最終的にはソフトの販売会社側が不審に思い、取り引きを中止していました。

警視庁は、元留学生から任意で事情を聴きましたが、その後出国していたことが分かり、詐欺未遂の疑いで逮捕状を取りました。

警察当局は近く、ICPO=国際刑事警察機構に国際手配を要請する方針で、中国がサイバー攻撃を行う目的で日本の企業の安全対策のぜい弱性などについて情報収集をしていたとみて、実態解明を進めています。

サイバー攻撃など中国人民解放軍の関与疑われる事件

中国人民解放軍の関与が疑われる事件はこれまでにも明らかになっています。

2016年にJAXA=宇宙航空研究開発機構や防衛関連の企業など200に上る研究機関や会社が大規模なサイバー攻撃を受けたケースは、警察当局の捜査で、中国人民解放軍の指示を受けたハッカー集団によるものとみられることが分かりました。

警視庁は、日本に滞在していた中国共産党員がサイバー攻撃に使われたレンタルサーバーを偽名で契約したとして、書類送検しました。

捜査関係者によりますと、今回の事件では、人民解放軍のサイバー攻撃専門部隊「61419部隊」の関係者が通信用のアプリなどで、日本にいる中国人に指示を出していた疑いがあるということです。

日本の警察当局は、中国が国家ぐるみで大規模なサイバー攻撃や情報収集を行っていて、安全保障上の懸念が広がっているとして、警戒を強めています。