インドネシア バリ島 コロナで打撃の観光立て直し日本人客誘致

日本人にも人気のリゾート地、インドネシアのバリ島では、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた観光業を立て直そうと、政府が観光地での感染対策の強化をアピールするなど、日本人観光客の誘致に力を入れています。

インドネシア政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えていることなどを条件に、ことし10月からリゾート地のバリ島などで一部の国からの観光客の受け入れを再開しています。

ただ、日本を含む海外からバリ島への直行便は再開しておらず、入国後10日間の隔離などもあって、外国人観光客の回復には至っていません。

このためインドネシア政府は、27日に現地で日本メディアを対象にした初めてのツアーを行い、観光地での感染対策などを紹介しました。

このうち観光地の寺で行われたケチャ・ダンスと呼ばれるバリの伝統芸能では、踊り手たち全員がマスクをつけ、観客も最低1回ワクチンを接種していることが求められるなど、対策を強化しながら公演を行っていました。

バリ島には年間20万人以上の日本人観光客が訪れていて、今月5日に羽田空港から直行便が再開する予定でしたが、オミクロン株の影響で延期となりました。

インドネシアではこのところ一日の新型コロナウイルスの感染者数が100人前後で推移していますが、観光業を立て直そうと、政府が観光地での感染対策の強化をアピールするなど、日本人観光客の誘致に力をいれています。

日系ホテル 看護師のサポートやPCR検査も

バリ島にある日系のリゾートホテルでは、バリ島への海外からの直行便が再開していないことなどから、本格的な稼働には時間がかかる見通しです。

このうち、宿泊客のおよそ8割を日本などからの外国人観光客が占めていた「ホテル・ニッコー・バリ ベノアビーチ」では、例年満室だった年末年始は、客室の稼働率がおよそ3割にとどまっているということです。

ホテルでは、日本人に再びバリ島を訪れてもらいたいと、バリの魅力などを紹介する動画を作成し、YouTubeで公開して、観光客の誘致に力を入れています。

また、宿泊客が安心して滞在できるよう、病院と提携して看護師のサポートを受けられる態勢を整えたり、ホテル内でPCR検査を受けられたりするなど、サービスの向上を進めているということです。

長谷部昌也ゼネラルマネージャーは「バリ島は外国人観光客で成り立っているので、国内の観光客の需要では成り立たない。各国からの直行便の再開や観光ビザの発給、隔離の免除という3つの条件がクリアされないと、外国人観光客はなかなか戻ってこないと思う」と話していました。