政府 オミクロン株濃厚接触者の扱い改め 無料検査対象を拡大へ

オミクロン株への対応をめぐり、政府は、感染者と同じ飛行機の乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いを、感染者周辺の乗客だけに改めました。こうした措置で、濃厚接触者の待機施設を確保するとともに、無料検査の対象を拡大し、感染拡大を封じ込めたい考えです。

新型コロナの新たな変異ウイルス、オミクロン株をめぐっては、今月17日から23日にかけて日本に入国したおよそ60人が感染していることが新たに確認されたほか、各地で市中感染とみられる感染者の確認が相次いでいます。

オミクロン株に感染した人の濃厚接触者が待機する宿泊施設について、松野官房長官は27日に「次の感染拡大に備えた計画では、全国で最大およそ6万6000室を確保するとしている」と述べ、引き続き必要な体制を整備していく考えを示しました。

ただ、全国知事会の会合では「帰国者の濃厚接触者が急増していて、このままでは宿泊施設が足りなくなる」といった意見も出され、宿泊施設の不足に対する懸念が強まっています。

こうした中、厚生労働省は、感染者と同じ飛行機に乗っていた乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いについて、同乗者が陽性となる割合は極めて低いなどとして、28日から、従来のウイルスと同様に、感染者の同じ列と前後2列の乗客だけに改めました。

政府は、この措置により、宿泊施設のひっ迫緩和にもつながるとして、濃厚接触者の待機施設を確保するとともに、感染者が確認された都府県に隣接する県でも無料検査を実施できるよう対応を強化し、感染の拡大を封じ込めたい考えです。