岸防衛相 中国国防相に東シナ海情勢で極めて深刻な懸念伝える

岸防衛大臣は中国の魏鳳和国防相とおよそ1年ぶりにテレビ会議形式で会談し、中国の船舶による力を背景とした一方的な現状変更の試みに、極めて深刻な懸念を示して強く自制を求めるとともに、台湾海峡の平和と安定は重要だとして、動向を注視していく考えを伝えました。

27日夕方、テレビ会議形式でおよそ2時間行われた会談は、日本側が呼びかけ、去年12月以来およそ1年ぶりに行われました。

この中で岸防衛大臣は、尖閣諸島の周辺海域を含む東シナ海の情勢について、中国軍や海警局の船舶による力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対するとともに、極めて深刻な懸念を示し強く自制を求めました。

そのうえで、台湾海峡の平和と安定は日本の安全保障や国際社会にとって重要だとして、動向を注視していく考えを伝えました。

また岸大臣は、中国の不透明な国防費の増加や戦力の近代化・増強が国際社会の強い懸念となっているとして、責任ある行動をとるよう強く求めました。

一方、両氏は、自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を防ぐため、日中の防衛当局の幹部どうしが連絡を取り合う「ホットライン」の来年中の運用開始を目指すことで一致しました。

会談のあと、岸大臣は記者団に対し「中国との間では懸念があるからこそ、率直な意思疎通を図っていくことが必要だ。相互の理解と信頼の醸成のため、引き続き防衛交流を進めていく」と述べました。

中国国防相 尖閣「領土の主権と海洋権益を断固守る」

中国国防省によりますと、魏鳳和国防相は、岸防衛大臣とのテレビ会議形式の会談で「来年は国交正常化50周年であり、両国の指導者の合意に基づいて、戦略的な相互関係を高め、立場の違う問題を適切に処理し、協力とウィンウィンの関係を実現すべきだ」と述べたということです。

一方、沖縄県の尖閣諸島については「領土の主権と海洋権益を断固守る。双方は、両国関係の大局的な視点から東シナ海の安定を維持するため努力すべきだ」と述べ、中国側の主張を伝えたとしています。

また、台湾や南シナ海をめぐる問題についても、中国側の原則的な立場を明らかにしたとしています。