オミクロン株感染者と同じ飛行機の乗客 濃厚接触は“前後2列”

オミクロン株の水際対策として、感染者と同じ飛行機に乗っていた乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いについて、後藤厚生労働大臣は記者団に対し、28日以降は、ほかのウイルスと同様に、感染者の同じ列と前後2列の乗客だけを濃厚接触者とする方針を示しました。

この中で後藤厚生労働大臣は、オミクロン株の水際対策をめぐって「飛行機の同乗者が陽性となる割合は極めて低く、空港検疫後に感染が判明する割合と、ほぼ同水準であるとの知見が得られた」と指摘しました。

そのうえで、感染者と同じ飛行機に乗っていた乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いを改め、28日以降は、ほかのウイルスと同様に、感染者の同じ列と前後2列に座っていた乗客だけを濃厚接触者とする方針を示しました。

さらに後藤大臣は、検疫では、オミクロン株の感染者がおよそ8割を占めていることから、ゲノム解析などを省略し、感染が判明した場合は、オミクロン株の感染者と見なして扱うことや、すべての入国者に抗原検査キットを配布し、3日目に検査してもらうことなどを明らかにしました。

そして「年末年始は、ふだん会わない方との接触機会が増えるので、基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたい。帰省や旅行については、オミクロン株の動向を踏まえ慎重に対応していただきたい」と呼びかけました。

千葉 熊谷知事「前向きに評価したい」

これについて、千葉県の熊谷知事は記者団に対し、判断を評価する考えを示しました。

熊谷知事は27日夕方、厚生労働省で後藤大臣と面会したあと、記者団に対し「濃厚接触者の扱いを見直さないと、県や保健所の職員が全力を尽くしてもオーバーフローしてしまうと、これまで伝えてきていた。年末は帰国者が集中し、一日も早く意思決定をする必要があったので、年末のこの時期に判断したことは前向きに評価したい」と述べました。

そして、後藤大臣に対し、オミクロン株の濃厚接触者への対応が千葉県を含めた空港が所在する都道府県に偏っているとして、負担を分散するための対応などを要望したことを明らかにしました。