米 石炭火力の発電量 7年ぶり増加見通し 気候変動政策に課題

アメリカでは、ことし石炭火力の発電量が7年ぶりに前の年に比べて増える見通しで、気候変動対策を進めるバイデン政権にとって難しい課題になっています。

アメリカの政府機関「エネルギー情報局」は、ことし1年間の国内の石炭火力の発電量が去年より22%増え、7年ぶりに増加に転じるという見通しを示しました。

コロナ禍からの経済活動の再開で電力需要が伸びたことに加え、発電に使う天然ガスの価格が高騰していることで電力会社が割安な石炭の使用を増やしたことが原因だとしています。

全米有数の石炭の産地、南部ウェストバージニア州では、電力会社が、今後の規制強化を見据えて廃止する予定だった石炭火力発電所の稼働を延長させる動きも出ています。

バイデン政権は気候変動対策を主要な政策課題と位置づけ、石炭や石油への依存を減らす方針を掲げていますが、難しい課題を突きつけられた形です。

ことしは気候変動対策の国連の会議「COP26」が開かれ、石炭火力発電の段階的な削減に取り組むことなどが合意されました。

しかし、IEA=国際エネルギー機関は、中国やインドなどでも石炭火力の利用は増えていて、ことしの世界全体の石炭火力の発電量が過去最高になるとの見通しを示し、各国に対策を呼びかけています。

専門家「段階的に進める必要も」

エネルギーと環境政策の問題に詳しいアメリカの消費者エネルギー連盟のマイケル・ゼアーさんは、「世界のいくつかの地域では、今後しばらくは、石炭を使わずに人々の生活に応える電力供給を実現することはできない。二酸化炭素の排出量の多い電源を使い続けるよりは少ない電源を利用するほうがよいが、その政策転換は段階的に進めていくことも必要になるだろう」と話しています。